4.平成16年改正以降の仕組みからは年金受給開始年齢を引き上げる意味が無くなった
また、もう一つ言っておきたい事があります。
それは年金の受給開始年齢を今後65歳以降に引き上げるという事が、あまり意味をなさなくなったという事です。
毎年一定の保険料収入が決まっている以上、それを受給者がどのように分けるかという事が問題なので、もし今後65歳から68歳とかその辺に受給開始年齢を引き上げても、その決まった保険料収入の財源は変わりません。
つまり、定期的に毎回入ってくる100の財源を5人で分けるか2人で分けるかのような違いでしかありません。
よって、平成16年改正で保険料収入が固定された今の制度の中で、原始的に受給開始年齢を機械的に引き上げても年金財源がラクになるという事はありません。
逆に保険料が固定されていなかった従来の場合はそれで良かったんです。受給開始年齢を引き上げればその分財政がラクになる。
従来のやり方は保険料収入は安定してませんが、給付のほうは60%台を支給するよ!っていう入ってくる年金給付のほうが固定されていたようなものです。こういうのを確定給付と言いますが、まさにそれですね。
給付が確定してるという事は受給者の皆さんが貰う総額は決まっているので、もしその総額を減らしたいのであれば、受給開始年齢を引き上げてやればいい。
例えば受給総額を面積として考えて面積が100ある中で、20ぶった斬れば80になって年金財源が軽くなります。
しかし、この機械的な受給開始年齢引き上げには欠点があります。
受給開始し始めあたりの人は減らせるけども、すでに受給してる人の総額を減らす事が出来ない。
(メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』2022年12月5日号外より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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