北方領土問題も解決か。ウクライナへの「武器援助」で達成される日本の悲願

 

スバトボ・クレミンナ攻防戦

クレミンナの北と南と西の3方向から攻撃しているが、ロ軍もクレミンナ防衛に大量の動員兵と装備を投入して、多くの犠牲が出ても守るようである。ヘルソン州の動員兵部隊も投入している。

ウ軍は、偵察隊を出して、損害を少なくして攻撃をしている。ウクライナ全体が暖冬であり、このため、泥濘が続き、機甲部隊が使えないことで、進軍スピードが遅くなっている。

それでも、クレミンナから5kmのところにあるディブロバまでウ軍は進み、クレミンナ市街迄まであと少しである。

ウ軍は、スバトボへも一歩一歩前進しているが、こちらも偵察隊を多数出して、ロ軍の状況を見て、攻撃している。こちらも泥濘が続き、機甲部隊が十分に使えない。

ヘルソン州・ザポリージャ州

ロ軍は、凍死多発が報じられた頃からロ兵を大きな建物に集結させた。その宿舎をウ軍のHIMARSで攻撃されて、多大な損害を出している。

12/31には、ヘルソン州のチュラキフカ村の動員兵のいる軍事基地を攻撃、ウ軍発表では500人死傷である。1/1には、ドネツク州のマケエフカで、深夜0時1分に動員兵が宿泊していた学校を攻撃で、ウ軍発表では400人死亡、300人負傷で、ロ軍発表では89人死亡となっている。1/2には、ザポリージャ州のトクマク、メリトポリ、ベルジャンスク、ポロヒー、ヴァシリフカといった地域の軍事施設を攻撃、ウ軍発表では260人死傷。1/3には、ザポリージャ州のトクマクで、動員兵のいる元結核診療所の建物攻撃して、ウ軍発表では80人死傷。1/4には、ザポリージャ州バシリフカのロ軍司令官事務所を攻撃して、死傷者多数。その後、ザポリージャ州ヴァシリフカのロ軍司令官事務所で爆発。トクマクの中心部にあるレストラン「Shokolad」を拠点としたロ軍基地を攻撃。

ウ軍参謀総長によると、ウ軍は過去24時間にロ軍の集中地域に対して、20回の攻撃したという。HIMARSとM270多連装ロケット弾の威力で、ロ軍は排除されている。このため、12月後半から1日ロ軍兵500人以上の戦死者を出し、このところ、800人程度の戦死者になっている。

ロシア・ウクライナの状況

プーチンはロ軍に、ロシア正教のクリスマスに合わせて現地時間6日正午(日本時間6日午後6時)から36時間攻撃を控える停戦命令を発出した。しかし、ゼレンスキー大統領は、一時的な停戦を否定し、「ロシア兵士がわれわれの土地にいる間、戦争は続く。ロシア兵が去るか、われわれが彼らを追い出したときに戦争は終わる」と強調した。

プーチンはおそらく「ウクライナが停戦に応じない」とのストーリーをアピールして、ウクライナを貶めることと、トルコのエルドアンから停戦を求められたので、エルドアンの顔を立てたことと、もう1つに、ロシア正教の庇護者としてのプーチンをアピールするためでしょうね。

事実としては、バフムトでは、停戦開始時刻が過ぎた後、双方向からの砲撃があり、ロ軍は東部クラマトルスクも攻撃。さらに南部ヘルソンでも消防署がロ軍の攻撃を受けたという。停戦は事実上はない。

そして、1日800人前後が戦死する環境で、30万人を集めた第1次動員の兵員だけでは、兵員不足になり、プーチンは「祖国防衛は神聖な国民の義務である」と述べて、ロシアの歴史的な領土とロシア語話者の保護は義務というが、戦っている場所は、ウクライナ領土であり矛盾しているが、1月15日からロシアの第2次動員が始まるようである。50万人規模であるとウ軍スキビツキー情報局副議長は言う。

2次動員開始とともに、ロシアは動員対象年齢男性の出国を完全に禁止した。これに関しては、ロシア中央銀行のエルビラ・ナビウリナ総裁は、金融機関に対して、支払いを怠る顧客をリスト化して、軍当局に対して召喚状を出すよう要求したと言う。囚人の次には借金の返済できない人が、火砲の餌として優先的に回されることになるようだ。

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