特別視せず、切り捨てず、書き留める。日常的な「アイデアの育て方」とは?

 

何かしらのアイデアを「思いついた」ら、それをすべて均等に「思いつき」として扱うこと。”下賎なもの”を切り捨てないだけでなく、”高貴なもの”を過剰に扱うことも避けること。それが「着想に特権性を認めないこと」という姿勢の意味です。

その意味で、着想を保存する装置(たとえばノート)では、すべてをフラットに並べてしまうのがよいでしょう。時系列にメモを取ると自然にそうなりますし、いわゆる情報カードに書き留めていくのも同じ格好なります。すべての粒度が同じ高さで揃い、特別な何かは生まれない(あるいは生まれにくい)のです。

もちろん、特別な何かが必要ないわけではありません。単にそういうものは、並べた「後」から見出されるものだ、という話です。そのプロセスを経ずに、ちょっとした思いつきでしかないものを「特別な何か」にいきなり昇進させしまうのは早計でしょうし、後からそのツケを払うことになるはずです。

■枠組みを揺さぶる

上で「特権性の剥奪」や「フラット」など、いかにもリベラルな言葉を使いましたが、最初に確認したように「私の着想」という時点ですでにある種の選別が働いている点は忘れてはいけません。一つの限定(特権領域)の中にいるのです──(メルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』2023年2月20日号より一部抜粋)

image by: Shutterstock.com

倉下忠憲この著者の記事一覧

1980年生まれ。関西在住。ブロガー&文筆業。コンビニアドバイザー。2010年8月『Evernote「超」仕事術』執筆。2011年2月『Evernote「超」知的生産術』執筆。2011年5月『Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング』執筆。2011年9月『クラウド時代のハイブリッド手帳術』執筆。2012年3月『シゴタノ!手帳術』執筆。2012年6月『Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術』執筆。2013年3月『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』執筆。2013年12月『KDPではじめる セルフパブリッシング』執筆。2014年4月『BizArts』執筆。2014年5月『アリスの物語』執筆。2016年2月『ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由』執筆。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 』

【著者】 倉下忠憲 【月額】 ¥733/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 月曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 特別視せず、切り捨てず、書き留める。日常的な「アイデアの育て方」とは?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け