話題となっている海外移住。NHKなどでも多く特集されていますが、今回のメルマガ『東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】』では、マレーシアに11年以上滞在する文筆家で編集者の、のもときょうこさんが、自身が海外移住をして気がついた海外で身につけるべきスキルについて語っています。
NHKや朝日でまたまた「海外移住」特集。海外で身につけるべきは語学力より「まいっか力」
最近、クローズアップ現代や朝日新聞で、またまた海外移住が取り上げられています。
円安などの社会状況もそうですが、パンデミックが落ち着いて海外に取材に行けるようになったのも大きいのでは(パンデミック中にはほぼゼロでしたので!)。
さて、海外移住というと、どうしても、「語学」「スキル」に注目されがちです。でも私、海外移住で身につくのは、実はソフトスキルだと考えます。
それは、「対人交渉能力」「グローバルビジネス力」「批判的思考能力」みたいもので、ほとんどのインターやローカルの学校でも教えています。
学校では意外に教えてくれないのは、「まいっか力」です。この「まいっか力」は、柔軟性と言い換えてもいいかもしれない。
「まいっか力」がなぜ重要なのか
マレーシアに移住してくる人の不満はよく、
- トイレが水浸し
- 食堂に蝿がいる
- コンビニの店員さんに愛想がない
- インド料理屋が食べてる時に会計に来た!
この辺りから始まります。トイレが水浸しなのはイスラム式で水を使うからです(私もびしょびしょにしてます)。
しばらく住むと、
- 業者が時間通りに来ない
- 食堂で、タライでお皿洗ってた
- 学校の先生が予定忘れた
- イミグレの人が書類無くした
- 断水した!
みたいなことが次々と起きます。でも、そこで怒っては負けというか、「感情コントロールできないタイプの人」と思われて、次回から電話に出てもらえなくなったりします。なので、みんな静かにじーっと待ってます。
誰かが言ったことが正解かどうかわかりません。何しろ正解は人によって違います。マニュアルに頼らず、自分で考えて、動くようになります。だんだん慣れてくると、怒らずに、相手を動かせるようになります。
これが、ビジネスでも重要なのです。期待値が大きすぎると、たいてい、トラブルになります。
そして、「世界のどこでも生きていける」というのは、英語力よりむしろ、さまざまな状況に対応できるということです。
- 仕事が山積みなのに、ビザの更新が否認されるとか
- 高速道路で車がエンストするとか
- 車ぶつけられて、「警察めんどいから交渉しよう」と言われるとか
- 警察行ったら賄賂請求されるとか
さてどうする?に対応できる。したくないけど、できるようになってしまう。
私が海外で身につくと思っているのは、正解にこだわらない、こういう柔軟性だったりします。
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