「マイナンバーカード」をめぐるトラブルが多発。AIを過信する政府「万全の対策」

TOKYO, JAPAN - 18 August 2021:My number card , Japanese word " My number card "TOKYO, JAPAN - 18 August 2021:My number card , Japanese word " My number card "
 

全国で多発する「マイナンバーカード」をめぐるトラブル。これを受けて岸田首相は、河野太郎デジタル相に対して「データやシステムの再点検を行うよう」指示しました。メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の著者で健康社会学者の河合薫さんは、「ヒューマンエラーを0にすることはできない」ことを前提に、過去に“人”がきっかけで起きたあわや一大事となった事例を紹介。マイナンバーカードをめぐる政府の対策は「AIを過信し過ぎでは?」としています。

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

「マイナンバーカード」をめぐるトラブルが全国で多発。人為的ミスか自己責任か?

「マイナンバーカード」をめぐトラブル、全国で多発しています。

一体化した健康保険証に他人情報登録されたり、国から給付金などを受け取れ「公金受取口座」マイナンバーに登録されたり。

いずれトラブルも「人為的なミス=ヒューマンエラー」とことですし、「ログアウトしてなかった」こと原因ようです、なんといってもデジタル後進国。「本当に大丈夫な?」と心配になります。

一方で、どんな優秀なシステムでも、そこに「人」限りヒューマンエラーをゼロにす不可能です。

2011年9月、那覇発羽田行き全日空140便、浜松市南方約43キロ約1万2500メートル上空で、背面飛行に近い格好まま30秒間で1900メートル急降下していたという、衝撃的な”インシデント”発生しました

原因ヒューマンエラーです。

トイレから戻ってきた機長(当時64)ために、副操縦士(当時38)着席したまま操縦室ドアを開けようとした際、解錠スイッチでなく、方向舵調整スイッチを誤って操作してしまったもでした。

あと10秒落下し続けたら、飛行機空中分解した可能性もあった大惨事原因「スイッチ押し間違え」と信じたいです、悲しいかな、こ「人」です。

重大な事故7割から8割ヒューマンエラーによで、1つ大事故背景に、29軽微な事故、さらに300ニアミス潜んでいとされています。

いわゆ「ハインリッヒ法則」です。

法則を導き出したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒによと「大事故予兆とな300件もニアミスを把握し、それ起きた状況分析を徹底すれば、大事故98%予防でき」としました。

100%でなく98%。こ2%こそ、そこに「人」りゼロにできない「人」曖昧性です。

一方で、「人」環境で変わ動物であり、ヒューマンエラーも例外でありません。

・残業多い現場で十分に休み取れていない
・時間的切迫度高い
・息抜けない作業多い
・チーム内で互いに助け合う関係性を持てない
・トップやリーダー安全に対す認識低い

といった仕事特性や組織風土ミスを誘発してしまいます。

ヒューマンエラー必ずしも個人資質問題でないです。

例えば2005年、関西国際空港で閉鎖中誘導路に、外国航空会貨物便誤進入す事件立て続けに2回発生しました。いずれも大きな事故につならず、ヒヤリハットで終わったです、大惨事につなりかねないミスだけに対策取られことになりました。

事前に、各航空会社に閉鎖中誘導路情報を流し、航空管制塔でも再度閉鎖情報を伝えという「情報伝達を徹底」したです。

ところ後、さらに2件誤進入発生します。

「閉鎖中誘導路こと分かっていた、標識なかったで、ど誘導路なか分かりづらかった」こと、ミス起きた原因と特定。そこで次な対策として、カラーコーンを置いたり標識を作ったりと、物理的に誤進入を防ぐ対策取られました。

「これで大丈夫だろう」──。誰もそう信じたそうです。

 

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