国民が創設を強く望んだという歴史的事実。あなたは国民年金制度の歩みを知っていますか?

 

国民年金は出来たけど、その時は完全に税金で支給する形(無拠出制という)にするのか、保険料を納めて将来に備える(拠出制という)形にするのか意見が分かれました。

しかし、やはりあらかじめ自力で備える事は生活態度としては当然だし、日本社会は自己責任で自助努力の考え方に立つ事を基に成り立ってるから保険料を支払って将来に備える形になりました。

天は自ら助くる者を助くという言葉がありますが、社会保障も自ら助くる者を助くわけです。

当時から高齢化が進むと既に見込まれていましたので、完全に税金だけの「無拠出制」でやってしまうと後々巨額の税金が必要になってしまうし給付も微々たるものになり、しかも所得が高いなら支給しないという所得制限がかけられて何かと政府の事情が介入されてしまうので、やはりあらかじめ個人で保険料を納める事になりました。

支払った保険料が多ければ多い給付を受け、支払った保険料が少なければ少ない給付を受けるという給付と負担の関係が明確な社会保険方式を取りました。

もし全額税で支払うとすれば、消費税10%どころか20%でも足りないくらいでしょう。

令和5年で60兆円の年金支払ってるから(GDP比では10%程度なのでGDP比とすると日本の社会保障はもっとは充実させるべき)、消費税1%上がると大体2兆7,000億くらい税収上がるのでやっぱり20%は超えますよね。

税を上げる事がいかに難しい事かっていうのは今までの歴史でわかってる話なのに、税方式に変えるべきという声があるのは不思議(こういう無理な事は野党が提案してひっかきまわしてきた)。今はそんな話はほぼ消えましたけどね。

ただし、昭和36年4月1日時点で既に高齢の人(50歳以上の人)は保険料を納められないまたは納める期間が短いから、この辺の人は完全に税金(無拠出制)で福祉年金を支給するしかありませんでした(当時は月額1,000円)。

無拠出制の国民年金(70歳以上の人に支給される福祉年金と呼ばれた)は昭和34年11月から始まり、まず昭和35年3月3日に11月から2月までの4ヶ月分が支給されて、一般国民が国から少額ではあるけど年金が支給されるなんて思ってもみなかったから凄く喜ばれる出来事だったんですね。

このように国民年金が始まった当初はまず全額税金という形で入ったので、その後の昭和36年4月1日からは保険料取るという事に対して抵抗が強かったものです。

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