安倍シンパ発狂。岸田が「LGBT法案」で維新と国民案を丸のみした訳

 

LGBT法案への強硬な反対姿勢を変えない安倍シンパ

LGBT法に保守派が反対するのは「伝統的な文化、家族観、皇室の皇統を破壊する」という考え方が根底にある。しかし、この間、保守系の議員や識者らが反対理由として前面に出してきたのはほぼ「女性のトイレや更衣室、風呂などでの安全」をめぐる心配ごとだった。

この問題は、主としてLGBTのうちの「T」、すなわちトランスジェンダーにかかわってくる。

トランスジェンダーとは、持って生まれた体の性が心の性と一致しない人のことだが、「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入る」といったケースを危惧して、彼らはLGBT法を批判している。

それが、たとえ意図的に保守思想の印象を弱め、「女性の安全」という誰にも受け入れられやすい説明の仕方を意図的に採っているのだとしても、たしかに、この問題は難しい。

アメリカでは、トイレや更衣室はもちろん、女子スポーツへの参加などをめぐって、トランス女性が参加するのを積極的に支持する民主党と、「反LGBT法」で阻止しようとする共和党との間で賛否が分かれ、国を二分する騒ぎとなっている。千田有紀・武蔵大学社会学部教授は言う。

「トランスに関しては『性自認(性同一性、ジェンダーアイデンティティ)』の尊重と、性別を分離することによって女性の安全を担保してきたこれまでの社会制度のありかたの間に齟齬が生じており、一筋縄では解決しない問題となっている」(Yahoo!ニュースより)。

トイレなどで男女を分け、女性の安全を確保してきたこれまでの社会と、性自認の尊重には、どうしても食い違いが出てしまい、簡単には解決できないというのである。

そこで、党内の議論が分かれるなか、自民党が維新などに持ちかけた修正協議の結果はどうなったかを確認しておこう。

与党案の「性同一性」を「ジェンダーアイデンティティ」に置き換えるなどの変更があったが、そういう単に言葉遣いの問題よりも重要なのは、維新・国民案の一部をそっくりもらって「全ての国民が安心して生活することができるよう留意する」との条文が付け加えられたことだろう。

しかし、安倍元首相のブレーンだった福井県立大学名誉教授・島田洋一氏は「これだけで『女性が安心』とはならない。どういう形で女性を保護するのか、詰めた議論をすべきだろう」と指摘する。

この与党修正案が自民、公明、日本維新の会、国民民主4党などの賛成多数で可決された13日の衆院本会議では、反対していた自民党保守派のうち、杉田水脈氏が体調不良などを理由に本会議を欠席、高鳥修一氏が採決前に退席するなどしたが、多くは矛を収めたかたちだ。

しかし、安倍シンパだった論客はこぞって、LGBT法案そのものへの強硬な反対姿勢を変えない。「安倍氏が亡くなったとたん、平気で裏切る自民党議員」などとTwitterに怒りの投稿をしたり、作家、百田尚樹氏のように「自民党は保守政党ではないことが明らかになった。私が政党を立ち上げる」と自身のYouTube番組で息まく人も現れるほどだ。

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