糖尿病専門医が太鼓判。天然甘味料エリスリトールの嬉しい安全性

shutterstock_2179458869 (1)
 

WHOが安全性に問題ないとしてきた人工甘味料アスパルテームを「発がん可能性リスト」に掲載する見通しとの報道がありました。糖質制限をする人にとって、重宝する甘味料の安全性は大きな関心事です。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、著者で糖質制限食の提唱医として知られる江部康二医師が、極めて安全とされる天然甘味料「糖アルコール」の中で唯一血糖値を上げない「エリスリトール」について言及。心配されるアレルギー性についても、多くの食材と比べた結果を紹介し、その安全性を伝えています。

エリスリトールの有用性・安全性とアレルギー性について

エリスリトールは、糖アルコールの中で唯一、血糖値を上昇させない、糖質制限OK甘味料です。

糖類の分子に水素を添加することにより、アルコール基(-OH)をもつ糖質が得られますが、これらを「糖アルコール」と言います。虫歯菌に利用されないことと、消化管で吸収されにくいので低カロリー甘味料としてよく使用されています。キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。

キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。自然界に存在するものなので、糖アルコールは合成甘味料には分類されません。

国連の食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)は、JECFA(Joint Expert Committee on Food Additives)を設けて、甘味料など添加物の安全性評価を公表していますが、これらの糖アルコールは、極めて安全性が高いとされています。妊婦にも大丈夫です。糖アルコールの中でエリスリトールだけは、血糖値を上昇させず、カロリーもゼロです。

糖アルコールのカロリーですが、欧州連合(EU)では、エリスリトール以外のすべての糖アルコールに対し一律に2.4kcal/gという値を表示することが義務付けられているようです。

血糖値を上昇させるか否かですが、エリスリトール以外の糖アルコールは、砂糖の約半分程度血糖値を上昇させます。よく、「糖アルコールは血糖値を上昇させない」との記載がみられますが間違いです。

また、エリスリトール以外の糖アルコールは、難消化性で吸収されにくいのが特徴です。吸収されにくい分腸内に残っているので、大量に摂取すれば下痢を起こしやすいです。

エリスリトールは、糖アルコールの中で例外的に体内に9割以上吸収されますが、全く代謝されずにそのまま尿中に排泄されます。ですから厚生労働省お墨付きのゼロカロリーで、かつ全く血糖値を上昇させません。ほとんどが体内に吸収されるので、糖アルコールの中で最も下痢も起こしにくいです。従ってエリスリトールは、糖アルコールの中で唯一の糖質制限食OK食材です。

そのエリスリトールでも極めてまれにですが、アレルギーを起こすことがあります。エリスリトールを製造しているメーカー(三菱化学フーズ株式会社)がエリスリトールのアレルギー性について、取引先に配布した文書があります。とても参考になる信頼度の高い情報です。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 糖尿病専門医が太鼓判。天然甘味料エリスリトールの嬉しい安全性
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け