風力発電より馬力発電?元自民党の秋本真利議員がワイロの隠れ蓑に使った馬主組合

km20230809
 

日本風力開発株式会社社長からの資金提供疑惑が浮上するや、外務政務官の職を辞し自民党を離党、そのまま雲隠れを決め込む秋本真利衆院議員。風力発電会社の社長は賄賂性を否定していますが、彼の発言は信頼に値するものなのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、会社社長が議員会館で秋本議員に手渡しした1,000万円を「証拠が残ると困るカネ」であったと断言。さらに風力発電推進議員と風力発電会社の社長が共同で馬主組合を運営する不適切さを指摘しています。

馬主組合を隠れ蓑に。贈収賄疑惑の元自民議員と風力発電会社のズブズブな関係

自民党の秋本真利衆院議員(47)が、日本風力開発株式会社の塚脇正幸社長(64)から、2021年10月から今年6月までに計約3,000万円を受け取っていた問題ですが、これは完全にアウトでしょう。塚脇社長は「競走馬の購入費用を秋本議員に渡しただけで賄賂には当たらない」と主張していますが、それならどうして秋本議員が管理している馬主組合の銀行口座に振り込まず、わざわざ現金1,000万円を用意して、議員会館の秋本議員の事務所まで出向いて行き、直接手渡したのですか?

塚脇社長の主張が事実なら、これは組合への出資金なのですから、後から「受け取っていない」などと言われたら大変なことになります。そのため、普通は銀行振り込みにして、支払ったという証拠がデータとして残るようにします。これほどの大金をわざわざ現金で用意し、相手に直接手渡すというのは、証拠が残ったら困るお金だからです。甘利明議員の「UR口利き疑惑」の時も、相手はわざわざ現金で数百万円を用意し、議員会館の甘利議員の事務所内で手渡しましたが、まったく同じ構図です。

ま、それはそれとして、あたしは競馬ファンなので、今回はこうした一般論ではなく、競馬の観点からこの問題を分析してみたいと思います。まず、日本風力開発の塚脇社長は、昔から競馬ファンで、20年ほど前から個人馬主として複数の競走馬を所有していました。そして、2021年10月、秋本議員と塚脇社長が45%ずつ出資して、「パープルパッチレーシング」という馬主組合を設立しました。

競走馬の馬主というのは、個人馬主、法人馬主、組合馬主の3種類があります。個人馬主は、年収1,700万円以上、資産7,500万円以上など、他にも厳しい規定がいろいろとあるのですが、組合馬主は年収900万円以上の人が3人から10人で設立できるので、ハードルが低いのです。

で、先ほど、「秋本議員と塚脇社長が45%ずつ出資し」と書きましたが、組合馬主は「最低3人以上」なので、もう1人、秋本議員が知り合いの名義を借り、負担分10%を自分たちで用意し、実際は2人なのに「3人」と偽って馬主組合を設立したわけです。さらに言えば、塚脇社長も自分の名前ではなく、他人の名前で参加しています。

ま、これもこれとして、競馬の賞金は、ほとんどが馬主のものです。その馬が賞金対象の5着までに入着して賞金が支払われれば、そのうち80%が馬主の取り分、10%が調教師の取り分、5%が厩務員ら、そして5%が騎手の報酬となります。賞金1,000万円のレースに勝てば、このうち800万円は馬主の取り分なのです。そう聞くと、「いや~、馬主って本当にいいですね~♪」と、水野晴郎さんぽく言ってみたくなりますが、あたしたち庶民でも馬主になることは可能なのです。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 風力発電より馬力発電?元自民党の秋本真利議員がワイロの隠れ蓑に使った馬主組合
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け