あえて逆張り。ホンダのHEV車「エンジン音」開発に学ぶ真の差別化

 

差別化とはなにか?

あなたは、企業の差別化と聞くと何を想像しますか?単に他社と違う製品を開発することだけが、差別化ではありません。

差別化の本質は、顧客にとって“価値のある”独自性を、製品やサービスに付加することです。

さらに深掘りしてみましょう。差別化とは何をすることなのか?

差別化とは、顧客から見た時に、自社の製品やサービスが、「他社よりも価値がある」と認識されることです。

顧客があなたの企業と競合他社とを比べた時に、より特定のニーズを満たせると認識することで、選ばれる理由になるのです。

差別化の重要性

なぜ、差別化が重要なのでしょうか。それは、顧客からみると自社も競合も、全て同じに見えるからです。

なので、「うちの会社はここがいいのです」と他社との違いを教えてあげなければならないのです。

差別化ができてくると、競争優位のポジションがとれ、値引きに頼ることなく、顧客が感じる価値に基づいた、価格設定が可能になります。

企業の差別化の実践事例

企業の差別化の事例を見てみましょう。

Appleは、ユーザーが使いやすい機能と、フレンドリーなデザイン、革新的な技術とのミックスで、パソコンや携帯電話を、単なるテクノロジー製品から、ライフスタイル製品へと進化させました。トヨタ自動車は、独自の「トヨタ生産方式」で、効率的な生産による、高品質なわりに優位性のある価格の、製品を提供しています。

Uniqloも、大量に生産することで、高品質で手頃な価格のファッションアイテムを提供し、ファストファッションの、新たなスタンダードを築きましたよね。

私の古巣Amazonの「Prime会員制」は、迅速な配送と独占コンテンツで、独自の地位を築いています。

身近な差別化の事例

差別化はもちろん大企業のものだけではありません。中小企業や個人事業など、全てのビジネスに必要な考え方です。

地元のカフェでいえば、オーガニック素材や、手作りのメニューで、チェーン展開の店舗との差別化をはかれます。

また、個人経営の書店でも、店主のお勧めや読書イベントで、オンラインショッピングとは、異なる体験を提供できますよね。

地域の農産物直売所においても、地元特産の新鮮な野菜を提供することで、スーパーマーケットと差別化ができるのです。

良い差別化・悪い差別化

これらの事例から、次の3点で、本来やるべき差別化と、誤解されている差別化の、違いが見えてきます。

■顧客の価値

良い差別化は顧客に価値を提供し、単に異なる製品・サービスを提供するだけだと、簡単に比べられて、価格の安い方が選ばれてしまいます。

■持続可能性

良い差別化の要件の1つは、競合に容易に真似されないこと。

差別化ができていても、すぐに模倣されるようであれば、それはエントリーバリアが低い、ということになります。

■一貫性

良い差別化はブランド価値と一致しているので、顧客が他社と比較した場合も、混乱することなく、選ばれるということになります。

まとめ

本当の差別化は、単に製品を変える、違うサービスにするということだけではありません。顧客の立場からみたより良い価値提供と、その価値を長期間にわたって、提供する戦略が鍵になるのです。

これにより、企業は競合他社から一歩先に進み、持続的な成長を実現することができます。

差別化は、マーケティングの第一歩になり、ひいては経営の核心になるのです。
それによって、競争激しい市場での成功への鍵となるのです。

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image by: Champhei / Shutterstock.com

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