2.飲食店経営者(昔、著書で掲載したことのあるエピソード)
以前は関西地方で、高級和食店を営んでいた。女性客を意識した、品のいいたたずまいだった。しかし、売上高はそこそこ伸びたものの、女性客は客単価が低く(あまり食べない飲まない)、財布のヒモがきつく、長時間滞在するので回転率も悪く、ビジネスとしてはうまくいかなかった。結果、社長さんは突然店を閉じて、着の身着のまま「夜逃げ」した(本当の夜逃げ)。
夜逃げから4年後。そろそろ借金の消滅時効が近くなってきた頃に、彼は東京のNEKO-KENに相談に来た。
相談の内容「時効」などではなく、「返したい」というものだった。私は驚いた。
聞けば、この経営者さんは、夜逃げして約3年後に、夜逃げに疲れて、また飲食の商売を再開することに決め、それをすでに実行していた。そして、その「新しい飲食の商売」は、すこぶる上手くいっていた。「逆のこと」をして。
・関西で失敗したから、「関東」で商売する!
・女性向けで失敗したから、「オヤジ向け」にする!
・高級路線で失敗したから、「低級路線!」
・広い店で失敗したから、「狭い店!」
・低い回転率はもうコリゴリ。「高い回転率!」
そう、彼は東京で、(信用がないので)知り合いから店を又借りして、小さな小さな飲み屋を開店したのです。
メニューは当時の東京としては比較的珍しい関西風。開業資金は70万円足らず。内装にはほとんど金をかけていません。しかしこれが当たり、1日の平均売上は10万円を超えました。
これでたちまち利益が出て、返せないはずだった借金が返せるようになってしまったのです。
(メルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』2023年8月10日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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