肝心の中国経済が崩壊か。独裁国家の下に集結したグローバルサウスを待ち受ける困難

 

4.教育支援や産業支援のノウハウを持たない中国

中国はBRICsのリーダーを目指しているそうです。アフリカ諸国には以前から投資や支援を行っています。しかし、バラマキ外交は長続きしません。各国が自立できるような教育支援、産業支援等が必要です。しかし、中国にそのノウハウはないと思います。

これまで中国は大量の原油を輸入していました。しかし、中国の輸出産業が崩壊し、インフラ整備が停止した現在、どれほどの需要があるのでしょうか。また、今後の輸入量はどれだけ減少するのでしょうか。

当然、中東の産油国も先進国との取引をやめる気はないでしょう。彼らの目標は米ドル以外の通貨決済ですから、ユーロ、円決済の可能性はあります。人民元の決済も進んでいますが、中国の金融危機が深刻になり、人民元が暴落する可能性もあります。それでも、人民元を受けとるのでしょうか。

もちろん、米ドルの暴落の可能性もあります。しかし、どちらが危険かと言われれば、人民元の方が危ないでしょう。中国の金融崩壊が起こればバラマキ外交もできなくなります。それでもアフリカ諸国は中国についていくのでしょうか。

ロシアも原油や天然ガスを先進国に売りたいはずです。その邪魔をしているのは米国バイデン政権です。もし、バイデン政権が失脚し、トランプ政権が復活すれば、ロシアとの関係は劇的に改善されるでしょう。

BRICsは、各国が様々な思惑を持って参加しています。経済的には中国に依存し、軍事的にはロシアに依存したいと考えている国が多いと思います。そして、米国に制裁されても生き残れるような仕組みが欲しいのです。

しかし、肝心の中国経済が崩壊した場合、BRICsに所属する資源国が最も悪影響を受けると思います。そうなっても、BRICsは先進国への挑戦を続けるのでしょうか。

皆仲良く持ちつ持たれつ。「締めの都々逸」

「お前は嫌い 商売止める それじゃ景気は 戻らない」

日本は資源の輸入国だから、資源を止められることに敏感です。資源の輸出国は、ボイコットされるのが恐怖です。現在のロシアのように、西側先進国が結託してボイコットされると経済は衰退します。

以前は、政治と経済は分離していたのですが、最近は政治と経済が一体化しています。これはこれでヤバイと思うんです。

商売の基本は売買ですから、売り手と買い手が揃わなければ商売が成立しません。EVのように生産するだけ生産したら、大量の不良在庫が残ります。

日本の周辺海域には大量の資源が眠っているという話があります。しかし、安く売ってくれる国があるなら、そこから買えば良いのです。自国で資源開発をしても、コストが上がってしまうことがあります。それでは意味がありません。

皆仲良く持ちつ持たれつでいきたいものです。(坂口昌章)

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image by: BRICS INFORMATION PORTAL

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