国際社会が「幕末」状態に突入、日本は世界をどうリードすべきか?

 

武力での自国拡張主義をもう止めて、経済で自国民を豊かにすることや個人の自由を優先した施策を打つことが国として重要であろうという主義を確立することだ。

自国内に閉じこもると、豊かさはあまり増えないので、個人の自由も制限されることになり、個人の自由が制限されるとイノベーションが起こりにくくなり、豊かさを世界で増強できなくなる。

グローバルな活躍ができる環境の整備と、ローカルな豊かさの調和が必要なのであろう。優秀な人たちは国境を越えて世界で活躍して、イノベーションを起こし、普通の人たちは、自分の幸福を実現するために、地域経済を豊かにするというような社会が必要なのであろう。

インドの人たちが、インドを超えて米国で活躍できることは、世界の発展に寄与していることであり、しかし、米国民が貧しくなると、その国際的に開かれた環境を破壊することになる。このため、米国民全体も豊かさを享受する必要がある。

米国は、白人と黒人、南米からの移民など多様な人たちで構成されているので、どうしても、人種差別などの問題が出ている。

単一や数種の民族国家には、このような問題が出にくい。今までは欧州全体で、そのような国家体制であったが、移民を積極的に入れたことで、人種差別的な国家になってしまった。このため、自国優先主義のような政党が支持されることになる。

この失敗を教訓にして、日本は現地で工場を立てて、現地でそこの国民を教育して、労働に従事してもらって、その問題をクリアしてきた。結果、移民をしなかった。そして、そこの国が豊かになった。

しかし、日本は、少子化によりサービス産業の労働力も不足し、現地産業が発展して、日本企業を打ち負かし始めたことで、日本も現地化から国内化が必要になっている。

どうも、現地化と国内化のバランス状態や移民政策の限度などがどこかという課題が、日本企業や日本社会に課せられているようである。中庸の概念であろう。現状の問題に対して、何処が最適解かの見極めが重要なのである。

そのバランス状態の確立が、日本の使命でもあるようだ。MMTも日本だけが成功して、欧米諸国はインフレになり、金利を上げ、MMTを放棄することになっている。この成功は、補助金を国民全員に過度にバラまいたか、企業を介して給与を保障して、過度なバラマキをしなかったかの違いである。

このように、欧米は理論が確立すると、過度な政策に陥ることが多い。地球温暖化の政策でも同様であり、過度な政策が横行する。その結果は失敗になる可能性が高くなる。

日本の政策は、徐々にコンセンサスを作り、過度な政策をしない。このため、日本の政策は保守的だと、欧米諸国からは非難されるが、中庸の精神で、国民全員の合意を優先した緩やかな政策進行であり、大きな失敗をしないで済むのである。

今後の世界秩序政策を英加豪とともに北欧、独仏伊などとも一緒に世界の調和した安定社会をどう作ることが良いのかの協議を重ねて、米国なき世界の秩序維持システムを構築してほしいものである。

日本が、東洋的な中庸の考え方を世界に実現する時が来たように感じている。日本が世界の手本となる時代が来たようだ。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2023年9月11日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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