日本では、2016年の文科省の資料によると、推定ではありますが、小学校から中学を卒業するまでに9割もの生徒がいじめ被害経験を持っているといいます。フランスよりもはるかにいじめが多いことが判っているのです。
しかし、日本では被害者が自殺しても自殺未遂をしても、そのことが原因で、加害者に刑罰が科されることはありません。暴力や脅しなどの犯罪が疑われるようないじめであっても、その多くは、措置の内容はかなり軽く、罰則と言えるほどでありません。各自治体や教育委員会での施策は続いておりますが、加害者に対して甘すぎるために抑止効果が働いていないないように思えます。
さらに、前述の記事からは、教師や学校が隠蔽したり、放置するということは全く考慮されていないようです。教師が「いじめを許さないと考えている」、「いじめを隠蔽しようなどと考えていない」ということが当然のこととされているとしか考えられません。
しかし、この日本では、いじめ事件のニュースの何割かは学校側が放置したり、いじめと認定しなかったという事件が報道されているのです。あまりにもお粗末です。
やはり、この日本でも、いじめ加害者をしっかりと「叱る姿勢」を持たなくてはなりません。
「優しすぎる教育」は日本をだめにしていくことになるのではないでしょうか。
加害生徒を叱れないという文化の背景を持っているために、「隠蔽する教師、隠蔽する教育組織」が存在すると言えます。ですから、フランスでは制定されていないかもしれませんが、隠蔽教師、隠蔽する学校に対する罰則を明文化し、制定すべきです。
子供たちの夏休み気分がとれる10月にはいじめが増えてくる傾向があります。保護者の皆様は、子供たちの日頃の変化に目を配ってあげていただきたいと思います。その中で気になることがございましたらご遠慮なくご相談いただけましたら幸いです。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
(注)1ユーロは約157円
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