私たちが今口にしている食べ物はどうやって生まれてきたのか?

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毎日する食事。しかし口にしているその食べ物がどうやって生まれてくるかを知っている人は多くないと思います。今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で紹介しているのは、教養として知っておくだけでなく、ビジネスやイノベーションのヒントにもなる食のお話です。

必読の教養書⇒『「食」が動かした人類250万年史』

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「食」が動かした人類250万年史

新谷隆史・著 PHP研究所

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、食が人類の歴史を動かした様子を、生命科学の視点から見た、興味深い読み物。

著者は、基礎生物学研究所ならびに東京工業大学において神経科学と栄養生理学の研究を行う、新谷隆史さんです。

本書のなかで著者は、ヒトがあらゆる動物の中で、もっとも食べ物を美味しく食べられるように進化してきたと主張。

われわれが果実を食べ始めることで、自らビタミンCを作れないようになり、そのため大航海時代に多くの船乗りが死んだこと、それを防ぐためにさまざまな食べ物・飲み物が開発されたことなど、生命科学の必然から生まれた、興味深い人類の食の歴史が書かれています。

なかでも面白かったのは、集団で狩りをする際に役立つ脳の「ブロードマン10野」の話。

解説には、この「ブロードマン10野」が、食事を美味しく感じさせること、美味しいものを食べた時の幸せを記憶すること、創意工夫を生み出すことが書かれており、なぜわれわれが文明を発展させることができたのか、そのメカニズムがわかります。

後半に行くに従って、話は食べ物や飲み物の歴史の話となり、果ては未来食にまで行き着くのですが、時系列で並べてここまで面白く解説できるのは、すごいと思いました。

われわれが今日口にしている食べ物・飲み物がなぜ、どのように生まれてきたのか、その歴史もわかり、教養書として、ぜひ読んでおきたい一冊です。

本書の理論に従うと、食に異様な執念を燃やす日本人は、きっと集団行動に向いているはずであり、また本来、イノベーションも起こせる民族のはず。

ビジネスやイノベーションのヒントとしても、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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