お昼は大混雑も、夜になると閑古鳥。名物「牛汁」で有名な老舗洋食店の謎

 

これだけ人気があるのに、夜の営業時間は、お店が閑散としていることです。

絶賛されるメニューがあるのに、なぜか夜にはお客さまが来ないのです。

ある程度は儲かっているものの、このままでは、夜営業をやっている意味がなくなります。

その理由として考えられるのは、周辺は会社が多く、夜の需要がないこと。

アルコールは置いているものの、おつまみ的なものは少なく、居酒屋利用しづらいことも挙げられます。

会社帰りの人が、洋食屋さんで飲むことは期待できません。

また、近くには学生が多くいますが、夜飲みの場としては、少し高いお店になります。

これらのことは、お店の人も理解していると思いますが、私はこのお店を見ていて、別の理由が頭に浮かびました。

お店の雰囲気です。

かなり古くなっているだけではなく、いろんなものが煩雑に置かれていて、洋食屋さんには見えないのです。

安さが売りの庶民的な食堂といった佇まい。

安くするために、他の経費は掛けられない、という雰囲気を醸し出しているのです。

それでも、味の良さでお客さまが来てくれています。

しかし、お客さまの大半が男性なのです。

やはり、庶民食堂の雰囲気では、女性や家族連れはやって来ません。

夜の閑散は、ここに原因があるようです。

洋食屋さんなので、メニューからして、女性や家族連れが期待できるはずなのです。

このお店は1階がカウンターのみ。2階が座敷となっています。

特に2階が、およそ洋食屋さんとは思えないのです。

これを改善すれば、夜の集客力も高まるのではないでしょうか。

お店を改装して、洋食屋さんの風情を創り出すのです。

やり過ぎると、常連さんが敬遠してしまうので、“お洒落”ではなく、“渋い”内装にするのです。

当然、2階はテーブルと椅子席とします。

女性や家族連れが入りやすい雰囲気を作らなければなりません。

メニューはそのままで良いでしょう。

そうすることで、渋い老舗の洋食屋さんが、「牛汁」という変わった料理で大人気となっていること、すなわち、洋食と牛汁のミスマッチが大きな話題となり、さらにお客さまがやって来ることになります。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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