なぜ、公務員が加入していた共済年金は「厚生年金に統一」されることになってしまったのか?

 

こういう格差を是正せよとの声が日本の高度経済成長が終わった昭和50年代から日本は不景気になっていったために強くなったのですが、当初は平成7年が一元化目標でした。

まずどんな職業であろうと、共通した部分を作ろうとして昭和61年4月に全ての人が国民年金に加入するという形になりました。

そうすると将来は65歳になればどんな人も共通の基礎年金として国民年金からの給付を受けます。

さらに、昭和61年4月に共済年金も厚生年金の計算のやり方に合わせる事になりました。

両者はどちらも過去の報酬に比例した年金として、退職共済年金と老齢厚生年金を同じ計算式で計算したものを支給する。
これにより年金水準は統一される事になりました。

なお、共済は厚年より20%多かった部分は共済独自の職域加算として支給する事になりました。

この職域加算が厚年より多い部分と言われますが、厚年にも厚生年金基金の上乗せ年金があったので、必ずしも共済と厚生年金に大きな差があったとも言えないです。

年金額の水準は昭和61年4月に統一されたのですが、制度の違いが残されたままとなりこの辺が共済年金が有利な事が多かったです。

制度的な事も統一してこそだとは思うのですが、そこは29年後の平成27年10月にようやく実現する事になります。

ちなみに平成19年に一元化の法案が通りそうでしたが、民主党が「年金は全国民が一本の所得比例年金にすべきだ」と譲らなかったため、その時の被用者年金一元化法は廃案にされてしまいました。

民主党の年金法案は結局は何も実現性の無い不毛な年金案だった事が判明しましたけどね。

さて平成27年10月にようやく一元化が実現して、それ以降の共済組合からの老齢給付は以前の退職共済年金から老齢厚生年金へと名を変えました。

名前は老齢厚生年金ですが、実際年金支払うのは共済組合からであります。

ただし、それまで相違があった制度は原則として厚生年金に統一されていきました。

というわけで、今日は厚生年金と共済からの老齢厚生年金を貰う人の在職老齢年金について話を進めていきたいと思います。

print
いま読まれてます

  • なぜ、公務員が加入していた共済年金は「厚生年金に統一」されることになってしまったのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け