話を冒頭のニュースに戻しましょう。その磯永吉が台湾大学の前身である台北高等農林学校の実習農場で使っていた建物、通称「磯小屋」が台湾大学構内に現存し、建設から100周年を迎えたというのです。磯の台湾での功績を、こうした形で保存していることも素晴らしいですが、それよりも、今でも台湾の研究者たちに受け継がれているということに感動いたします。
台湾大の丁詩同副学長は、磯が日本種の米を台湾に持ち込み、同大生物資源・農学部の教員や学生は現在も研究と改良を続けていると説明。地球温暖化が進み、日本が暑さに強い品種を必要とする時には、台湾に探しに来てほしいと語った。
● 蓬莱米育んだ小屋、日本時代の建設から100年 台湾大で記念式典
100年の時を経て、日本時代に生きた日本人と台湾人の奮闘が蘇るようです。そして、ここには今の日本の米騒動を解決するためのヒントがあるように思います。磯永吉たちの農家への配慮と生産力向上への情熱を、今の日本はとっくに忘れています。今こそもう一度初心に戻り、磯永吉たちの精神に学ぶべきではないでしょうか。
台湾大学構内の「磯小屋」は、希望すれば見学できるはずです。台湾を訪れた際にはぜひ足を運んでみて下さい。
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