さすが世界のケン・ワタナベ、ブロードウェイ主役でも全くブレない取材対応

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渡辺謙が主演を務めるブロードウェイ公演『王様と私』の本公演が全米でスタートし好評を博しています。そんな世界のケン・ワタナベを過去2回インタビューしたという米国邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人・高橋克明さんは、謙さんの”どんな相手に対しても態度を変えない姿勢”を絶賛しています。

インタビューの舞台裏 -Bout.12- 渡辺謙

日本でも報道されていることと思われますが、ミュージカル「The King and I(王様と私)」が先週、正式なオープニングを迎えました。日本を代表する”ハリウッドスター”渡辺謙さんが主演を務めます。

そのオープニングレセプションに取材で行ってきました。共演者や招待されたハリウッドスターの中でも堂々とした謙さんのオーラは特筆すべきものでした。

過去、2回渡辺謙さんに単独インタビューをさせて頂きました。お会いする前のイメージでは、もう少しガッチリされた体格の方と思っていたのですが、テレビ画面やスクリーンで見る以上にスラッとされていて(テレビで見ると少し太って見えるっていうのは本当だな)、とにかくカッコ良かった、というのが印象です。

そして見た目の印象以上に、強く思い出として残っているのは「なんて親切な方だろう」といった内面の印象でした。

ちょうど僕たちが取材をする直前まで、アメリカの某大手テレビ番組の取材を受けていました。全米に放送される地上波の番組です。

その直後に、現地のローカル新聞の、しかも在米の日本人だけを対象にしている僕たちの取材に入って頂いたわけですが、さっきまでの有名リポーターへの質問の受け答えと、僕のソレと、声のトーンも、真剣に聞いてくれる眼差しも、答える内容も、寸分の違いもなかった。まったく同じように正面から真摯に受け答えをしてくれました

実はコレ、意外と珍しい事なんです。

その人が「いい人」、とか「悪い人」とか、そんな問題じゃない。

人間、特に表に出る職業をしている人にとって、対象の媒体、大小に関わらず、すべてに同じように対応するって不可能に近いくらい難しい事だと、地元のローカル紙である僕たちは経験上知っています。

従来、取材日という日を設定して、朝から晩まで何社も連続で質疑応答が繰り返されます。例え、その人が”いい人”であったとしても、朝から何度も同じ質問をされるのは、やっぱりウンザリだと思うんです(そこをウンザリさせないのがインタビュアーの力量であったりもするのですが)。

それが、例えば、誰もが知っているテレビ番組のカメラと、誰がどこで読んでるかわからないフリーペーパーの素人丸出しの編集者と、同じように対応する方が無理ってもんだと思います。

実際、名前は伏せておきますが、元メジャーリーガーの某日本人選手なんて、こっちが笑っちゃうくらい、むしろ気持ちいいくらい対応を変えられたこともあります(笑)。

謙さんの場合は、それが、まっっっっぁたく、ありませんでした。

ひとつのインタビューに対しても、まったく手を抜かない姿勢―。それを感じたときに、かつてアジア人では絶対不可能と言われたオン・ブロードウェイの主役をはることも、ハリウッドスターとして世界的な名声を手に入れる事も、僕にとってはまったく不思議な事ではありませんでした。

image by: Wikipedia

『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 Vol.017より一部抜粋

【Vol.017の目次】
1.今日のニューヨーク  Vol.16 「NYのチップ事情(1)」
─最前線で日々NYを取材している筆者の感じた、今日の摩天楼、今日出会ったニューヨーカーetc. 思うままに綴るコラム。

2.インタビューの舞台裏 -Bout.12- 渡辺謙
─過去400人の著名人に取材した際の舞台裏。本記事に書けなかった「あの人」の裏話。

3.NYの雑種犬、みりんの大冒険 -第14章-
─フェイスブックやブログ上では筆者以上の人気を誇る、うちの雑種犬”みりん”のNY冒険綺譚。

4.NEW YORK の一枚 Vol.13
─ 弊紙カメラマンが撮った今日のニューヨーク

5.Q&A

著者/高橋克明
全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる
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