あえて外す美学。Apple Watchで最も早くオシャレになる方法

 

メンズのファッションは「バランス」が最も重要

では、誰にどんなベルトがオススメなのか? 利害関係のある販売員では、構造上正直には喋れません。…な訳でファッションバイヤー/ブロガーである私が紹介します。

私、MBの配信するメールマガジン『最も早くオシャレになる方法』でも度々語っていますが、ファッションは「バランス」で成り立っています。とりわけ街着のカジュアルファッションは「バランス」が最も重要です。私はこれを「ドレスとカジュアルのバランス」と表現しています。

「ドレス」とはスーツのこと。テーラードジャケットにスラックスに革靴を合わせた「スーツスタイル」のことです。「ドレス」はスラリと大人っぽくカッコイイですが、街着ではありません。ビジネスシーンやパーティーシーンにその活用は限られます。

一方「カジュアル」はリラックスウェアのこと。パーカーにデニムにスニーカーを合わせる等の「リラックスカジュアル」のことです。楽で着心地は良いですが、パーカーにデニムにスニーカーではなかなか「オシャレ」と感じさせることできません。

街着でのオシャレはこの両軸をバランスよく混ぜることが解です。例えばテーラードジャケットにデニムを合わせたりすると、「緊張感」のあるジャケットに「余裕」を感じるデニムが加わり、テーラードジャケットの格好良さ、緊張感が際立つ訳です。この「バランス」こそがメンズファッションの肝です。

さて、時計の話に戻ります。時計の選び方もこのバランスを意識すると良いでしょう。「時計」とは少ないスペースで個性を表現するものであり、この「バランス」が唯一解ではありません。…がファッションに自信がない、確たる指針がなく選ぶことに迷ってしまう…という人はこの「バランス」を意識することがオススメです。

AppleWatch ミラネーゼループ

AppleWatch ミラネーゼループ

(source: mygsm)

例えば「ミラネーゼループ」。輝きのあるラグジュアリーな雰囲気です。このチェーン状のミラネーゼベルトはApple独特のデザイン…と言うわけではなく、ヴィンテージ時計など1950年代あたりのモデルによく見られる形状です。一般的なコマ詰めのバンドよりもはるかに高級感があり、クラシカルな雰囲気を纏うことが出来ます。2011年にはBREITLINGが同社の名作時計「トランスオーシャン」の初代モデル復刻に使い時計業界内で大きな話題を集めたことも。この上なく「ドレス」な雰囲気に見えるベルトでしょう。

BREITLING トランスオーシャン

BREITLING トランスオーシャン

(source: webchronos)

一方でゴムの一種「フルオロエラストマー」を使ったスポーツバンドモデルは、誰がどう見てもスポーティーで「カジュアル」な雰囲気。いかに本体が同じデザインであってもベルト一つでかなり印象が変わります。

AppleWatch スポーツバンド

AppleWatch スポーツバンド

(source: オーケーマック)

前回の記事でも紹介しましたが、日本市場でも爆発的な人気を誇っている「ICEWATCH/アイスウォッチ」。こちらもラバー製バンド、スポーティーな印象です。AppleWatchのスポーツバンドモデルはこんな感じのミニマルなスポーツウォッチに印象としては近いかもしれませんね。

icewatch

icewatch

(source: Jewelry Connection)

「バランス」を意識したベルト選びがオススメ

さて、では「ドレス」なミラネーゼバンド、「カジュアル」なスポーツバンド。どちらをどんな風に合わせるべきか。おそらく普通は「ドレスライクなスタイルにはミラネーゼバンドが良い」「カジュアルライクなスタイルにはスポーツバンドが良い」と思うでしょう。もちろんそれも良いですが…実は「逆の方がファッション的にはむしろ有り」とも言えます。

話を少し変えます。

大手セレクトショップ「ユナイテッドアローズ」のドレス専門の販売員さんはスーツに「クロムハーツ」を着けていることが多いです。「クロムハーツ」に対して多くの人は「ゴツいアクセサリー」「バイカーさんがつけてる」など「カジュアルイメージ」が強いでしょう。「”ド”カジュアル」と言っても良いくらいです。普通デニムスタイルなどに着けるものですから。

クロムハーツ

クロムハーツ

(source: NOAVENUE)

しかしユナイテッドアローズでは販売員さんが「ドレス」の代表であるスーツを着ながら、「”ド”カジュアル」なクロムハーツを着けています。これは何も販売員さんの趣味嗜好ではなく、ユナイテッドアローズとしてのスタイルです。クリエイティブディレクターの栗野氏もスーツにクロムハーツを着ける事が多く、その「ミックス感」を楽しんでいる感があります。

これは上述の「メンズファッションはバランスが重要」という内容と同義です。「スーツにクロムハーツ」と同様の大胆なバランスの取り方は海外のストリートスナップなどでも多く見られます。

ロングコートにスニーカー

ロングコートにスニーカー

(source: 男前研究所)

例えばこちら。ドレスライクなウールのロングコート、細身のパンツなど、これで革靴を履いたら完全なドレスです。しかし足元を白スニーカーという「カジュアルアイテム」を入れることで街着としての「余裕」を与えています。この「緊張」と「余裕」の融合こそがファッションの最重要項目なのです。

もう一度AppleWatchに話を戻しましょう。

そういった観点から、「スポーツバンドをテーラードジャケットなどのスタイルに着ける」、「ミラネーゼループをTシャツスタイルに着ける」そういったミックスはオシャレにおいてはとても重要です。Tシャツにスポーツバンドを着けた姿を想像してみてください。随分と野暮ったく感じませんか? Tシャツにミラネーゼループを着けるから、カジュアルなTシャツスタイルに「緊張感」が生まれ色気が出るのです。テーラードジャケットにミラネーゼループでは「キメたスタイル」になりがちですが、スポーツバンドがチラリと袖元から覗くことで、「緊張感」のあるテーラードジャケットスタイルに程よい「余裕」が生まれるのです。

「たかが時計のバンドのことじゃないか」と思う人ももちろんいらっしゃるでしょう。でもせっかく買うならオシャレ感を作れる方が良いに決まっています。普段カッチリとした「ドレス」なスタイルが多い人はスポーツバンド、普段リラックスした「カジュアル」なスタイルが多い人はミラネーゼループ。そんなオシャレを意識した選び方はいかがでしょう。Appleの販売員も「良いですね!」と言いながら、「(普通の人と逆だなぁ…)」と意外に思うかもしれません。しかし「オシャレ」はそもそも「普通じゃない」ものです。他と違う行動が他と違う結果を生みます。勇気を出して他と違う選択を、バランスをとったチョイスをオススメします。

文/MB

source: apple

【最も早くオシャレになる方法】現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断
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