なぜ新しい制服の女子高生は出身中学の前で虚ろな目をしていたか

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子供たちが学校で受けるストレスは意外と大きく、しかも大人にはわかりにくいもの。そんな負荷に心が折れそうになっている子供に、私たちはどう接するべきなのでしょうか。無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』ではソーシャルワーカーの村崎京子さんが、通常生活におけるストレス・マネジメントについて記しています。

学校ストレスをのり越えるためには

夕方の中学校の校門前では、それぞれが異なる制服を着た、先月卒業したばかりの女子高校生たちの姿を見かけることがたびたびあります。下校時の声かけや部活指導中の馴染みの先生に声をかけ、嬉しそうに新しく始まった高校生活を報告しているのです。その成長した姿を観て、頼もしく感じています。

しかしなかには、独りで校門の壁に寄りかかりながら、スマホ片手にうつろな目をして寂しげにしている子がいます。じっとたたずんで部活動が終わるまで待っているのです。知り合いの先生や後輩たちと話をするためなのでしょう。

「新しい環境に溶け込めているのかしら」、「急激な変化にとまどっているのではないかな」、ふと心配になって、さりげなく声をかけてみます。在校中は、そんなにじっくり話をしたことはないのですが、にっこりと笑顔になって、長い時間いろいろと話をしてくれます。言葉の端々に、緊張疲れやストレスが感じられます。やがて彼女は「少し話せてスッキリした」、と述べ、その後は、いつもの先輩の顔になって、後輩たちや先生を迎えていました。

新学期は、子ども達をとりまく環境や人間関係に大きな変化がある時期です。それまで心身に大きな変調がなく、親や周りから見て、心配のない子と思われていた子どもであっても、「もしかしたら負荷がかかっているかもしれない」と配慮してあげる必要があります。

また、保護者からも、初めてのご相談が寄せられる時期が今頃なのです。「新1年生になって、元気に制服姿で登校した息子が、しょんぼりして帰宅したので聞いてみると、『ボタンを一個かけ忘れていて、みんなの前で叱られた、もう学校に行きたくない』と言っている」という相談や、ある女子生徒さんの親御さんからは、「やはり小学校とは違いますね。娘は大人しい子なので誰にも迷惑をかけるような子ではありませんが、体育館で朝の集会中に態度が悪かった生徒が居て、大勢の前で先生から大声で怒鳴られている姿を見て『こわい』と感じたようで、それ以来、朝、登校する前に具合が悪くなるのです。特に月曜日は青ざめて手を震わせています。行かせないほうがいいのでしょうか」、という相談もありました。

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