あまりにもシュールすぎる…秋の夜長に大人も読みたい絵本3冊

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やって来ました読書の秋、だけど仕事疲れで文字ぎっしりのページを繰る余力がない―。そんな方にお勧めなのが、無料メルマガ『大人のための絵本ガイド』で紹介されている絵本たち。最新号では、ちょっとシュールな名作がリコメンドされていますよ。

シュール系のお勧め絵本3冊

関東地方では、暑さの峠も越えたようで、過ごしやすい日が増えてきました。僕は耐熱仕様だった体が涼しさに対処しきれずに、夏バテとは違った体調の悪さに悩まされています。

季節のはざまということもあって、今回の「お勧め絵本」コーナーでは、シーズンを問わずに楽しめるシュール系絵本を選んでみました。

キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)

(長新太/文・絵)

シュール系絵本の巨匠、長新太さんの作品です。主人公はキャベツの顔をしたキャベツくんとブタの顔をしたブタヤマさん。

キャベツくんが野道を歩いていると、ブタヤマさんに出会いました。ブタヤマさんはおなかぺこぺこだったので、キャベツくんを食べようとします。

驚いたキャベツくんは「ぼくをたべると、キャベツになるよ!」と言いました。ブタヤマさんは空を見上げて、びっくり。鼻がキャベツになっている「ブタヤマさん」が空に浮かんでいるではありませんか。

この作品では、キャベツがあしらわれた「キャベツ動物」が次々に登場します。ヘビやタヌキ、ゴリラ、カエル、ライオン、ゾウ……。

この絵本を読んでも、何も教訓は得られませんが、固まった心や頭をほぐす効果はあります。ナンセンス絵本の傑作です。

 

かばくん (こどものとも絵本)

(岸田衿子/文 中谷千代子/絵)

舞台は動物園。日曜日の午前中、男の子がペットのカメを連れてカバを起こしに来ました。

「おきてくれ かばくん/どうぶつえんは もう11じ/ねむいなら ねむいと いってくれ/つまらないから おきてくれ」

目を覚ましたカバとカバの子はカメとあいさつを交わします。「や かめくん」「や かばくん」

動物園に遊びに来た子どもたちは、カバとカメが一緒にいるのを見て大喜びです。カバとカバの子は、男の子がおみやげに持ってきたキャベツとトウモロコシを食べて大満足……。

この絵本には特にストーリーはありませんが、心暖まるユニークな文章と挿絵には読者の心をとらえて離さない力があります。

 

まあちゃんのながいかみ(こどものとも絵本)

(高楼方子/作)

痛快な「ほら話」のような絵本です。まず登場するのは、「おかっぱ頭」の女の子、まあちゃんと髪の長い2人の友だち。もっと髪を伸ばすの、と言う友だちに、まあちゃんが尋ねます。「ふーん、どれくらい?」

背中がすっぽり隠れるくらいという2人の答えに、まあちゃんは言いました。「なーんだ、あんたたち たったのそれしか のばさないの? あたしなんかね、もっと ずっと のばすんだから」

まあちゃんは、自分がどのくらい髪を伸ばすかを説明しはじめます──おさげを橋の上からたらして魚釣りができるくらい髪を伸ばすつもり。おさげのロープで牧場の牛を捕まえられるくらいまで伸ばすつもり。

髪を洗うのが大変じゃないの、と心配する友だちに、まあちゃんは奇想天外な洗い方を説明します……。

まあちゃんの「ほら話」を描写する挿絵が楽しくて、笑わせてくれます。

 

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