大人も楽しめる、十五夜のお月見までに見ておきたい「月」の絵本

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秋といえば「読書の秋」。みなさん、読書してますか?今回のおすすめ絵本は、日本ならではのイベント「お月見」にちなんで、「お月さま」が主役の絵本をチョイス! 無料メルマガ『大人のための絵本ガイド』から、あらすじもあわせてご紹介します。

9月といえば十五夜。月にちなんだ絵本3冊

もう9月中旬ですね。秋の雲がきれいな季節になりました。夜空を見上げれば、月も美しい! そこで今回は、月にちなんだ絵本を集めてみました(今はちょうど月齢が若くて月は見えにくいのですが、月末には見頃になります)。

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 『お月さまってどんなあじ?
(マイケル・グレイニエツ・絵と文/いずみちほこ・訳)

日本の伝説では、月ではウサギが、もちをついていることになっていますが、『お月さまってどんなあじ?』では、お月さまに目と口がついて丸い顔になっています!

そのお月さまを食べてみたいと、動物たちは思っていました。いちばん高い山に登って、お月さまをかじろう──ある日、カメはそう思って頂上に行きましたが、月には届きません。そこで、ゾウに助けを求めます。ゾウはカメの上に乗りましたが、月が上に動いたので届きませんでした。

キリン、シマウマ、ライオン、キツネ、サルが順に背中に乗っていきましたが、まだ届きません。最後に、サルの上に乗ったネズミが……。

大勢で協力しても目的を達成できず、おしまいに小さな動物の力を借りて成功する──この流れだけ見ると、『おおきなかぶ』と似ています。でも『お月さまってどんなあじ?』には、『おおきなかぶ』とは違ってドンデン返しがあります。最後のページをめくると……。

 

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 『ぼくの ともだち おつきさま
(アンドレ・ダーハン・作/きたやまようこ・訳)

主人公の「ぼく」は、海(あるいは湖?)で小舟を漕いでいるときに「月」と知り合いになります。すぐに2人は仲良くなりますが、月が水中に落ちてしまったので、「ぼく」は心臓が止まるほどびっくり。でも、月は無事に浮き上がってきました。

小舟に月を引き上げて水をふいてあげていると、夜明けが迫ってきました。明るくなると月が見えなくなるので、「ぼく」は月を抱き上げて自宅に連れて行きました。2人は歌ったり踊ったりして時間を忘れるほど楽しい時間を過ごします。

やがて月はベッドで寝てしまいました。その間、小舟で出かけた「ぼく」は、もう一人の「友達」を自宅に招くことになって……。

ユーモラスで暖かみのある挿絵に心が癒やされます。

 

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 『つきのぼうや
(イブ・スパング・オルセン・作・絵/やまのうちきよこ・訳)

変わった形をした絵本です。縦34センチ、横12センチ──ものすごく背が高い!テキストを読み進めると、このデザインの素晴らしさがよくわかります。空から地上、地上から空への動きを表現するのに最適なのです。

お話の発端は、お月さまが地上を見下ろしたとき、池に映った自分の姿を見て、別の月だと勘違いしたことです。月は「つきのぼうや」を呼んで、命じます。「あの つきを つれてきてくれないか。/ともだちになりたいのだ」

ぼうやは元気よく下界に向かって降りていきました。うっかり星を蹴って流れ星にしてしまったり、雲を通り抜けて、びしょ濡れになったり……。

地上に着きましたが、なかなか「つき」は見つかりません。つきのぼうやは、青果店の前を通り過ぎ、船着場を越えて海の中へ。魚たちの顔を見ても、月のような顔はありませんでしたが、水底で何かが光っているのに気づきました……。

image by:Shutterstock

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