米中で28兆円、トランプと習近平に「取り引き」を呑ませたのは誰?

 

(1)国際社会による核廃棄の要求と、核保有を続ける北朝鮮の対立関係は当面は維持されると思います。

(2)ですが、北朝鮮によるミサイル試射と核実験に関してはスローダウンがされるようです。少なくとも、当面は封印されるでしょう。

(3)トランプ大統領と朝鮮中央テレビによる激しい舌戦についても、これまでのものは「話芸」に過ぎなかったのは明らかですが、今後はスローダウンするでしょう。

(4)経済的な解決というのは、中ロによる抑制的だが非公式である北朝鮮への経済援助に関して、米国が黙認するということだと思われます。解決というのは、これは消極的かつ非公式なものとしての、現体制への暫定的な承認を意味すると思います。

(5)この中ロによる援助の黙認というのは、米国にとっては既定方針の放棄であり、具体的には習近平に説得されたものと見ることができますが、それでは米国の面子が潰れるので、「中国だけでなくプーチンも入っている」とか「部分的な制裁には中国もロシアも入っている」ということにしたいのだと思われます。

(6)日本に関しては、北朝鮮との緊張・対立関係は基本的に維持ということだと思います。ただ、このタイミングで拉致被害者と合衆国大統領の面会が行われたというのは、これもまた極めて消極的ながら現体制を交渉の当事者として承認する行動とみなすことも可能でしょう。

(7)韓国に関しては、トランプ訪韓の直前に「韓中の国交正常化」がアナウンスされ、また直後には首脳の接近が図られています。この動きは、米国の調整が機能していることを証明しています。恐らく、北への圧力になる程度の「北との対立維持」と「韓中正常化」に調整したということなのでしょうが、こればかりは流動性のある問題なので少し先以降の話は不透明です。

というストーリーであると思われます。

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