辺野古移設問題、官僚たちは「出世したいなら沖縄に関わるな」

 

カトケンが防衛庁OPL辺野古視察団として、現地説明を受けていたころ(2006年まで)は、反対派が洋上で抗議デモしていることを理由に、沖合埋め立て案を進展させられない、と説明された。つまり、反対派を口実にして、建設計画を進めたくない、というのがホンネだったともとれる。昨今の海上保安庁による強制排除を見れば、政府にやる気があれは、反対派の洋上デモなんか軽く粉砕、ということはわかる。

防衛庁側として訪問していたカトケンの感想は「このままグズグズして米海兵隊痺れを切らしてグアムに撤退という解決を望んでいる」というものだった。だから、杭桟橋式とか、フローティング式などのような、米海兵隊の撤退後には撤去可能な案が選択肢の中にあった。

法務官僚君が、またまた、政府の目指すゴールに疑問を抱いたのは、今年10月29日に、佐賀県に対しては住民の反対を理由にオスプレイ配備を中止と決定し、沖縄の住民の反対意見は無視するということを日本政府は明言、日本本土と沖縄では扱いが違うことを示したこと。「昔の日本政府だったら、もっと曖昧で、わけのわからん灰色答弁にしたろう」と。

その目的は、沖縄と本土の仲を荒れさせることなのだろうか、と。そうなると、法務官僚君の役人としての生き方から見ると「沖縄が絡む仕事からは逃げた方がいいかも」である。以前、例えば、沖縄の那覇防衛施設局長というのは、約束された出世コースで、任期の約2年間を沖縄で難しい顔してグダグダやって何も進展させず問題も起こさなければ、防衛庁に戻って要職に出世できた。しかし、法務官僚君のごとき「沖縄に関わるな」的な考えが、国家官僚内に広がると、ダメ人間が沖縄に配属されていく。ダメという能力がないという意味のみではなく、権限を行使できない扱われ方の不出世役人というか。

ただ、良い方向に解釈すれば、沖縄本島であるていどの線まで工事などを強行して事態を悪化させて頓挫し「最悪の選択である辺野古を断念して、すんなりと下地島(民航機訓練飛行場がすでにある)に決定」という着地点だろうか。これなら、沖縄県民の民意を尊重したことにもなり、沖縄県民の責任によって、下地島へ移転というところへもっていける。責任を他者に押し付けることも、役人にとって重要な職務能力だ。いずれにしても、荒れる沖縄に赴任した官僚君に果実は少なく、捨て駒にされそう。まあ、官僚目線のお話でした。

 

 

異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで』より一部抜粋

著者/加藤健二郎(建設技術者→軍事戦争→バグパイプ奏者)
尼崎市生まれ。1985年早稲田大学理工学部卒。東亜建設工業に勤務後、軍事戦争業界へ転職。1997年より、防衛庁内局OPL。著書は「女性兵士」「戦場のハローワーク」「自衛隊のしくみ」など11冊。43才より音楽業に転向し、日本初の職業バグパイプ奏者。東長崎機関を運営。自分自身でも予測不可能な人生。建設業→戦場取材→旅行業→出版→軽金属加工→軍事戦争調査→探偵→バグパイプ奏者・・・→→次はなに?
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