日本人の「仏教離れ」、その原因は時代遅れな戒名代?

 

無論、私は仏教が嫌いで言っているわけではない。よく、「神社人」をやっていると、たまにお寺の方から「あの人は神社側の人だから」と敬遠されることもある。しかし、私、並びに当家は神道と同じように浄土真宗を信奉している。だから、これは実家での話だが、懇意にお付き合い頂いている住職には、毎年お彼岸やお盆といった決まった時期に、読経をお願いしているし、父が亡くなった時にもきちんと戒名も頂戴している。それは多分私の代に及んでも同じだろう。

ただ単に、「神社・神道」は国学的かつ文化的スタンスからその価値を評価しているのであって、単純にどちらが良いなどということはまったく考えていないのだ。それだけはまずもってご理解頂きたいのだが、逆にそういう声を聞くと、そういうことを言っているからダメなんだと思うことも少なくない(笑)。ただし、これはあくまで少数の声だとは思っているが。

ともかく、そんな結果を招く最大の要因は何かと言うとやはり率直なところ、コスト面の問題。これにつきると思っている。以前、イオングループ葬儀サービスに進出して今まで不透明とされてきたお布施の値段オープン価格で表示をしたところ、仏教界から強い反発を招いたことがあった。今ではその反発を受けてホームページ上での提示を取り下げてはいるが、これはまさに仏教界の実状を問いかける象徴的な出来事とみている。

もちろん、仏教界の言う「宗教行為に値段はつけられない」という主張は確かにその通りなのだが、その点は神社も同じである。しかし、同じような不満を神社から聞く事はほとんどない。それではなぜこうも大きい問題になったかというと、その価格が非常に大きいからである。

例えば、神社においても「基本収める金額はお気持ちで」ということで、初穂料の金額はあまり明かさない傾向にある。それでも一定の目安を提示していることが多く、金額も数千円からいっても数万円程度に過ぎない。地鎮祭のように神主さんに出張をお願いする場合でも、2~3万円程度が相場で決して高い金額でもないだろう。

しかし、これがお寺さんになると大きく一変する。まず前提として金額を明らかにすることはほとんどない。以前、父が亡くなった時に私もお布施戒名代はどの程度かかるのだろうかとネットでいろいろ調べてみたものだが、実によく分からない(笑)。

宗派によっては価格帯からして全然違うし、個別の寺院でも相応に異なる。

しかもその価格の差が激しく、ウチの場合は、浄土真宗という非常に庶民的な宗派なので比較的リーズナブルな方だと聞くが、それでも戒名代には二桁の後半はお支払いした。まぁ、厳密に言えば、私たちの場合は、住職とはそれなりのお付き合いもあったし、非常によくして頂いていたので、それなりの気持ちも添えたというのもある。このため、正直、二桁後半までお支払いする必要はないかもしれないが、それでも二桁万円行くというのは相場観としては確かだろう。

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