私は、アメリカの「リベンジ戦略」の詳細を予想し、ダイヤモンド・オンラインに記事を書きました。
その一つが、「アメリカはロシアと和解に動く可能性がある」でした。
で、実際何が起こったか?
ケリーがロシアにやってきた
アメリカのケリー国務長官が5月12日、ソチにやってきました。
露訪問の米国務長官、ウクライナ停戦履行なら「制裁解除あり得る」
AFP=時事 5月13日(水)7時13分配信
【AFP=時事】米国のジョン・ケリー(John Kerry)国務長官は12日、ロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相とそれぞれ4時間、合わせて8時間に及ぶ会談を行った。
その後ケリー氏は、ウクライナの不安定な停戦合意が完全に履行されるならばその時点で、欧米がロシアに科している制裁を解除することもあり得るという見解を示した。
引用部分は短いですが、とても重要な内容を含んでいます。
まず、ケリーさんがロシアに来るのは、「クリミア併合後」はじめてである。日韓のことを考えればわかりますが、両国関係が悪いと、なかなか訪問になりません。
「ケリーさんがやってきた」
それだけでも、まず大事件です。
次に、ケリーさんは、プーチンと4時間会談。ラブロフ外相と4時間会談。テーマは、シリア、イラン、ウクライナだったとか。
それにして、プーチンと4時間。「悪魔」「ヒトラーの生まれ変わり」と批判していた男と、何をそんなに話したのでしょうね?
これ、個人でもそうですが、仲良くしたくない相手とは、長く話さないものです。
仕事でもそうでしょう? 取引したくない相手には、あまりご馳走もせず、「すいません次の予定が入っておりますので」などといって、帰ってもらうでしょう。
つまり、アメリカ側もロシア側も、「仲直りしたい」という意思がある。
3番目、ケリーさんは決定的なことをいいます。
ケリー氏は、ウクライナの不安定な停戦合意が完全に履行されるならばその時点で、欧米がロシアに科している制裁を解除することもあり得るという見解を示した。
制裁解除もあり得る!!!
「AIIB」前と後で、アメリカの対ロシア姿勢は明らかに変化しています。
つまり、「軟化」しているのです。