千葉県で小学校教諭を務められている松尾英明さんが、ご自身のメルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の中で、興味深い講義について紹介しています。その内容は「『君が代』の歌詞を漢字で書く」というもの。誰もが歌える「君が代」ですが、「漢字」で書くとなると頭を抱える大人も多いのでは? 「さざれいし」「いわお」「こけ」「むす」…あなたはいくつ書けますか?
国歌を漢字で書く
大分前になるが、モラロジー研究会で、野口芳宏先生による国歌についての講義を受けた。そこで、参加者に次の指示が出された。
「『君が代』の歌詞を漢字で書いてください。」
これが、思いの外、書けない。千葉県には、南房総に「巌根」、県北に「八千代」といった地名があるので、子どもは割と答えらえる。「八千代」の「八」は「八百屋」などに使われる「八」と同じで、が末広がり、無数という意味をあらわす。それを知るだけでも、意味が伝わる。
「さざれ石」の「さざれ」と、「苔のむすまで」の「むす」は、大方の人が書けない。「巌」などと違い、誰でも知っている漢字であるが、書けない。
「細石の巌となりて」と漢字で書くと、一気に意味が伝わる。教室では、「細石」の画像を見せ、さらにイメージを持たせてみた。
ちなみに教室でやってみたところ、意外にもこの「むす」が書ける子どもがいた。「生す」である。理由を聞いたら、「何となく」。いい感覚である。
歌詞の意味を知っていると知らないでは、歌い方にも大きく違いが出る。知れば、気持ちが乗る。
自国の国歌の歌詞ぐらいは、知っておくべきなのに、知る機会がなかった。知る機会を与えていただけたことに感謝である。
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