強大化する習近平の権力。対日外交の軟化は余裕のあらわれか?

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第3に、加藤嘉一がダイヤモンド・オンラインで連載中の「中国民主化研究」第52回(5月26日付)で述べていることだが、「確かに、ここ半年における習主席の対日政策は“親日的”に映る。実際にそうかもしれない。しかし、仮にそのようなレッテルを誰かに貼られたとしても、そんな雑音を平然と無視し、跳ね返すだけの権力基盤がいまの習主席にはある」という見方があり、これが、正しい

加藤は、中国の一般大衆の間でも「習大大(習おじさん)」というニックネームがごく自然に使われるほど、習近平が国内で圧倒的な支持を得ており、「習近平の政策を公の場で名指しで批判したりする知識人は、一部の“異見分子”を除いて限りなくゼロに近い」と言っている。

つまり、習講話は、対日外交の軟化でもなく、対日分断工作でもなくて、習の国内権力基盤の固まり具合という視点から捉えることが肝要である。

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【権力基盤をほぼ固めた習近平 ──習・李体制2年半を暫定総括する!】
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『高野孟のTHE JOURNAL』Vol.188より一部抜粋
著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。
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