現役アナウンサーが教える「…そんだけかい!」と言われない会話術

 

*まず、話を適切なタイミングで終わらせることができるようになるためには、自分の持っている話題に、重要度で順位をつける習慣が必要です。

逆に言うと、話が終わらなくて、「・・で、・・で」で続いてしまう人の特徴は、自分の持っている話題の面白さに順位が付けられず、思いつくままに、並列的に話してしまうところにあります。

いっぽう、話を上手に先へ進めることが出来る人は、そうではなく、自分の持っている話題は、「重要なもの、面白いものから先に」話し始めます。

そして、その一番重要な話題を、盛り上げたり、広げたりすることに集中し、尻すぼみになってきたのを察知して、話を次に進めるのです。

つまり、一連の話題を切り上げるタイミングは、話し手が、そのテーマでの話の限界を見切った時、できれば、話し手も聞き手も、その話で満足した時、ということになります。

ですから、話を面白くしたい人、テンポよく話を進めたい人は、あれこれしゃべりたい気持ちをちょっと抑えて、自分が一番最初に話しだしたテーマが、完全燃焼するまで、その一連の話題を最大限まで盛り上げる努力の方に、力点を移すのがいいと思います。

*次に、聞き手を、話に参加させる方法は、さまざまで、これまで当メルマガの記事でも、何度か取り上げてきました。

一対一の会話だけでなく、講演などのひとりしゃべりで、聴衆が多数、という場合でも、

聞き手を参加している気持ちにする」話し方、が可能なのです。

例えば、

「その時、どうしたと思う?」

と、次の言葉を想像させたり、そのような直接的な言葉を言わなくても、大胆な間を取ることで、

「おやッ?この間はどういうことだろう?」

と、聞き手は話を聞くことに積極的になります。

また、一対一や、数人グループでの会話でも、

「これって、どういうことだと思う?」

「どうしてなんだろうね??」

など、わからないことや、分かっているけど、違う角度の意見も聞こうとする姿勢、また、その話題に関連して、相手について知っていることや相手の得意なことについて、話を振ってみる、など、相手のことを思いながら話す姿勢が、聞き手を、話に参加させることに繋がります。

こういう話し方の要素をまとめると、究極的には、「聞き手を思う話し方」が、面白い話につながる、ということになるわけですが、あくまで究極的にはであって、それを言ったら、全てが完結してしまいますからね。

このあたりで、切り上げておくことにしましょう。

image by: Shutterstock

 

メルマガ『話し方を磨く刺激的なひと言

著者/熊谷章洋
アナウンサー歴26年の著者が、実体験でしか知り得ない「話し方のコツ」を、理論化。滑舌、緊張、発声発音、会話、説明、講演講義、プレゼン、自己紹介自己アピール、セールス、ビジネス、面接、ナレーション、話の構成、人としての魅力…人前で話すあらゆるシーンに役立つプロの技をお伝えします。

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