初老の男性「究極のふりかけは削りたての鰹節である」
最近、美味しんぼでいかにも描かれそうな話が、俺の身の回りであった。
近所の蕎麦屋で聞いた世間話の中に
「昔は、鰹節の削り機で削ったものを使ってて、その時の味が今でも忘れられないから、鰹節削りを買おうか本気で悩んでる。この間、鰹節のお店の前で嗅いだ強い鰹節の匂いが忘れられない」
という話を小耳に挟んだ。
嬉しそうにネットで削り機の値段を調べたり、昔食べた味の話をしていた。
豊かさとはそういうこと。
子どもの時にいいものを食べたとか、それはお金と手間暇を少しづつかけてあげればできることだとか…すぐそこに落ちてる小さな幸せ。
確認のため調べてみると、ヤフーショッピングで相場3000円ほどした。
…で、固まってる鰹節も当然、ちょっと高い。買えなくはない金額なんだけど…初期投資5000円ぐらいからがスタートだと考えると、ちょっと負担なのよね…。
これ、飲み放題に入って大学生みたいな飲み方しかできないおじさんが、身の丈にあった量を嗜むときにも、やっぱり良い居酒屋の目安は一人5000円。
「おしゃれに安い服を着こなす」みたいな趣味でも、やっぱり壁はそのぐらいの金額になっちゃうから…服に興味がない人はそのお金が惜しくてよれたシャツを使っちゃったり、するんだよね…うん。
ちなみに、オタクがよく買うアニメのDVDやゲームの新作も結局5000円前後が目安。(近年インフレ気味だけどね)
「貧乏でも興味があれば、出せるし、生活を豊かにする。けど、できるだけ使いたくないから興味が無いことにはこの出費がひどく重たく感じる。そのラインは5000円(多く見積もっても1万円は行かないぐらい)」
言い換えると、1食に30万円を使う人よりも、バランスよく色んな事に月5000円ぐらいづつ使える人の方が、生活の豊かさが蓄積していく。
「そんなの男らしくない。男気を感じない」
とか、頭の悪そうな人に言われる前に言っとくけど…必要のない犠牲にお金を使うだけの見栄っ張りな男気は、ただのバカだぜ?