社員全員が猛反対。「カレー味のラムネ」はどうやって生まれたのか?

 

まとめ(戦略ショートストーリー)

観光客、珍しいものを求める方をターゲットに大手企業がやらないような「こだわり」の商品作りの文化に支えられた「他では味わえない」という強みで差別化を実現しています。

大衆向けでないユニークな飲料(ご当地炭酸飲料)を次々とリリースすることで話題性を高め、観光客などの支持を得ています。

分析のポイント

「100人のうち2、3人が飲みたいと思う商品を作る」

大手メーカーは、基本的に大衆をターゲットとしていますので、新製品の開発において、社内のテストでも社外での市場調査でも、多くの方が美味しいと言って(賛成して)くれなければ、リリースまでたどり着くことは困難です。

一方で、木村飲料では、例えば、「わさびラムネ」では社内の営業から大反対され、「カレーラムネ」では社員全員から大反対されたそうです。結果は、ともにリリースされ継続的に売れているようです。大手では、ほぼ間違いなく不採用となっていたでしょう。

そもそも大衆をターゲットとしているわけではないので、飲んだ方の大半の方が美味しいと言う商品では、宣伝力、販売力などに勝る大手との競争になりかねません。同じ土俵ではまず勝ち目はありませんので、木村飲料はターゲットを徹底的に絞り込んでいるわけです。

ターゲットを絞り込んでいるからこそ、「100人中の2、3人の方がよい」と言ってくれればOKという考えに至っています。

そして、社内から大反対されるくらいでないと、絞り込めていない、差別化できていないということでもあります。

つまり、大手では、社内外での多くの賛成票を得ることが、新商品リリースに向けて重要となりますが、大手との真っ向勝負を避けたい中小企業においては、社内外での反対票が多いほうが、差別化できる、より尖った商品になる可能性を秘めていると言えるわけです。

要するに、中小企業では、皆に反対されるような商品、サービスが差別化のカギになりうるということです。

木村飲料では、社長のアイデアだったこともあり、大反対にあっても押し通すことができたと言えますが、反対されるようなアイデアの中にこそ、新しい可能性があるという視点を持っていることは重要だと思います。

木村飲料から今後、どのような商品がリリースされるか楽しみですね。

image by: 木村飲料株式会社 公式Instagram

 

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