リストカットする児童も。学校で「学級崩壊」が起きやすい理由と対策

 

多数決が決める善悪!?

もうひとつ、学級崩壊を起こしやすい原因として、「善悪の判断から逃げる」という学校が持っている傾向性が挙げられます。「ムラ社会の掟」、または「長いものには巻かれろ」という言葉がありますが、善悪に関係なく「意見の多い方が正しいという考え方が教育界に蔓延しています。この考え方が、悪を増殖させる方向で働くのです。

「いじめられている。助けて」という生徒の訴えに対して「これはいじめかどうか」ということを多数決で決める教師がいます。その結果、ほとんどのケースで「これは、いじめではない」という意見が多数意見としてまかり通ってしまうのです。

また時々ですが、保護者から依頼された弁護士が、「問題行動や非行の児童、生徒にも『教育を受ける権利』があるから、教室に入れろ」と学校に理不尽な要求をしてくることもあります。しかし、加害者の権利と被害者の権利が相克する場合、教室という同じ空間で、加害者の権利が、被害者の権利に勝ってよいのでしょうか? 護られるべきは、被害者の教育を受ける権利」です。

真っ当な正義感をもち、空気に流されず、自分の意見を言うことができる子どもはたいへん少なくなっています。今、教師に求められているのは、そのような子の権利擁護やエンパワーメント激励)です。勇気を持って正論を言う子ども達を教室に取り戻さなければ、クラスはよくなりません。そのためには、「ならぬものはならぬものです」といった善悪の指導は必要不可欠です。

教育という世界に身をおいている1人として、子供たちに善悪をきちんと示し続けてまいりたいと考えております。

スクールソーシャルワーカー 村崎京子

image by: Shutterstock

 

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