激務の公認会計士が、いかにしてTOEIC200点アップを実現したのか?

 

公認会計士になってから考えたこと

こうして、ズタボロになりながらも上場インチャージを通年回して、監査実務を一通り経験し、見習い期間が終わって無事に公認会計士資格を得て職位もシニアに昇進していました。

法人からのご褒美でプレゼントされた短期海外研修に参加して、欧米に数週間、ホームステイをしながら、今後の英語との付き合い方についてはどのようにすべきか考えていました。メール対応など最低限の英語能力のハードルは思ったより低く、他の会計士としての実務勉強と同じように短期間でのインプットも可能といえます。

しかし、こうして海外で数週間暮らしてみると、テレビの内容もよく分からないし、現地で意思疎通も出来ません。とても、一般的な英語力は身に付いているとはとても言えず、継続的な努力が必要だということを、痛感しました。

ここで、普通なら帰国後の感想文で「実力不足を痛感したのでもっと努力する」という内容を報告して、ますます英語勉強に没頭していくのでしょうが、物事を斜めから疑う性格の僕は違いました。

今後、形式的な面で自分の市場価値を上げるための英語力、つまり、一般的な転職市場や社内昇進で必要な指標であるTOEICを800点レベルまで引き上げるには相当な努力が必要でしょう。

事実、モチベーションの高い先輩や同期たちは、電車内でヒアリングをして、業務終了後にスクールに通い宿題をこなし、スパルタで有名な社内英語特訓に参加しようとして努力をしており、仕事以外の多くの時間を英語に費やしています。

ただし、そのために監査・会計の更なる専門性の高い勉強が後手に回っているように見えました。

「例えば、社団・財団法人の会計税務に関する勉強に100時間投入すると、それで十分詳しくなれて監査法人内では専門知識があるように思われる。それを、宣伝して希望すれば、部内の関連ジョブを独り占めすることもできる」

しかし、英語では、会計士試験に合格する並み、ひょっとしたらそれ以上の時間投入が必要です。

「…つまりこれは『ラットレース』なんじゃないか。」
「…時間の投資収益性でいえば英語よりも高いものは無数に見当たる。」

こう考えた僕は、英語で人より秀でるための競争をやめて、日本の公認会計士として価値の高い分野の勉強と実務経験の機会を求め、価値を高めていこうと考えました。

それでも1か月単位で集中勉強して海外英語研修から帰ってきていましたから、シニア2年目で受験させられたTOEICの点数は700点ほど。この点数なら、ひとまず恥ずかしめられるレベルではないので、この時から僕は点数稼ぎの英語勉強をやめました。サボる訳ではなく、実務で使える将来性の高い専門知識の習得を優先したのです。

自画自賛がちな意見ですが、英語勉強を放棄してその時間を未経験分野の勉強と実務経験に費やしてきた僕の知見は、同時期に会計士になったメンバーに比べて広くて深いと思います。その成果も、メルマガでは様々な分野についてフィードバックできていると思います。

しかし、昨今は少しずつ英語を学ぶライフワークを戻してきています。若手にも今は英語力を身に付けた方がいいということをいいます。なぜでしょうか。

>>次ページ 中国語を身につければ収入は増えるのか?

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