激務の公認会計士が、いかにしてTOEIC200点アップを実現したのか?

 

英語力とキャリアの方程式の発見

公認会計士にとって、英語力があった場合のメリットってなんでしょうか。

1つ明らかな効果は、受注機会が増えるということだと思います。英語ができるということは、英語が必要な仕事を受注する機会ができます。アクセス可能なマーケットが多くなるのです。

しかし、だからと言って、既に受注機会を頂いている案件で、英語力があったからと言って受注率は上がらないでしょう。なぜなら、英語力の有無は募集要件の段階で既に問われているからです。

ここで一旦、両辺から受注単価を消して整理すると以下となります。

受注機会×受注率=稼働日数(200日限度)

このように稼働日数で見てしまうと、既に限界稼働200日超の引き合いがあるフリーランスにとって、受注機会を高める英語スキルはすぐには必要ないと言えます。

多くの独立している公認会計士が英語を積極的に勉強しない理由がこれです。

中国語を勉強しても市場価値が高まらないのはなぜか

こんな話があります。僕の大学時代の第二外国語でもっとも人気であったのは中国語でした。これからは中国が台頭する時代だと考えるひとが多かったのです。

友人の1人は中国語学習に力を入れており、今では中国人向けの観光ビジネスに雇われています。中国が台頭するという予測は当たり、今や中国は世界第2位の経済大国です。

しかし、彼個人の年収は400万円程度だと思います。なぜなら、中国語ができる日本人は確かに希少なのですが、中国人の中で日本語ができる人材が簡単に採用できるので、彼らとの競争になってしまい価値が高まらないのです。

需要側の話をすれば、今は円安が長期間続きそうな傾向です。グローバル企業の稼ぐ外貨は増えています。監査報酬やコンサル報酬もこうしたグローバル経済から得られるものに置き換わっていくでしょう。

しかし、日本語と英語ができるアジア人の労働力が豊富です。それならば、例えば、日本企業の海外拠点の監査は海外事務所にお任せすれば安い。実は日系企業でアジアに進出している会社も、日本人のプロフェッショナルではなく、現地人で日本語が堪能なスタッフを抱える安価な事務所に流れているといいます。

更に、現在のところ若手が積極的に英語力をみがいていますので、英語ができる日本の公認会計士の供給は増加するでしょう。

僕は、英語と国際会計基準の勉強に明け暮れる監査法人の若手をみていて常々、こう思っていました。

「英語とIFRSをコアに勉強する彼らは、同じスキルを持つインド人や韓国人と競争したいのかな。インド人や韓国人の年収は日本の公認会計士より激安なのに」

英語ができる公認会計士がかなり不足していた10年以上前ならいざしらず、今は英語ジョブだからといって特に高単価である訳ではなくなりました

ビジネスを志向したら英語は有望

では、僕がなぜ英語に触れだしているかと言えばビジネスになるからです。

例えば、円安でインバウンドの投資が増えています。

典型的な監査法人ビジネスのチャンスは、中国人などがシンガポールの法人などを通じて日本のリゾート地や不動産に投資する際に設立される、SPCの任意監査業務でしょうか。これを受注するために、日常的な電話対応や英文報告書を書けて英語の質問に返答できる程度の英語力が必要です。そして、監査法人のホームページを英語にして、彼らの飲み食いに付き合えば機会が出てきそうです。

と、いう訳で太郎は英語の学習を再開した訳です。他にも英語の受注機会を利用したビジネスというのは、考えられるんですよ。

>>次ページ 英語学習で注意すべき4つのポイント

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