京セラの創業者・稲盛和夫氏は、常に何かしら仏教の本を持ち歩き、ひまがあれば読んでいるそうです。六度万行についてはこう言います。
(六度万行は)普通の人間が生きるための知恵として、ぜひ取り入れるべきだと私は信じます。
では、六度万行とは何かといいますと、この6つです。
「六度万行」
- 布施(親)
- 持戒(言行一致)
- 忍辱(忍耐)
- 精進(努力)
- 禅定(反省)
- 智慧(修養)
とうてい全部説明できるスペースはありませんが、六度万行の反対は、こうなります。
- 布施(親切)←→慳貪(ケチ)
- 持戒(言行一致)←→破戒(約束を破る)
- 忍辱(忍耐)←→瞋恚(いかり)
- 精進(努力)←→懈怠(なまける)
- 禅定(反省)←→散乱(心が散り乱れている)
- 智慧(修養)←→愚痴(恨んだりねたんだり人のせいにする)
つまり、あなたがどんな分野で活躍しておられても、ケチで、約束は破り、すぐに腹を立てすぐにさぼって、集中力がなく、人を恨んだりねたんだりしていると、不幸になり、親切で、約束を守り、忍耐強く、反省して努力して身を修め養ってゆけば、幸せになるということです。
つまり、パソコンでいえば、ウインドウズやマックのようなOSの部分ですね。それに対して、人それぞれの能力は、ソフトウェアにたとえられます。
私たちはパソコンで作業するとき、ウインドウズやマックの基本プログラムの上で、ワードやエクセル、パワーポイントなどのソフトウェアを使って、色々な作品を作ります。ワードではレポートが書けますし、エクセルなら表計算ができます。エクセルでも、レポートは頑張れば作れますし、ワードで表計算も、相当の職人芸をマスターすればできるかもしれません。
しかし、自分の能力に向いていないことをやろうとしても、いい作品はできません。そういう人も世の中にはたくさんいます。
ところが、能力がぴったりでも、ウインドウズが古くて、動きが遅いとか、不安定ですぐにフリーズするようになってしまったら、どんなに最新のソフトを使っても、いい作品は望めません。
つまり、あなたの心が六度万行の反対なら、どんなにすばらしい能力があっても活かされず、結局不幸や災難に見舞われてしまうのです。