近年は人々の生活行動が夜型から朝方にシフトしています。そのため深夜のファミレス需要が減っています。以前の深夜のファミレスには、若者のたまり場としての需要がありました。友人とのコミュニケーションの場として機能していました。しかし、近年はインターネットやSNSが発達し、若者のコミュニケーションの場がファミレスから自宅へとシフトしていきました。自宅にいながらでもネットやSNSで友人とコミュニケーションが図れるからです。
深夜労働には25%以上の割増賃金を支払う必要がります。人手不足の状態では深夜に人員を割くことが物理的に難しいという問題もあります。深夜の需要が減少し、人手不足が深刻化している今、割高の経費を捻出してまで深夜に営業する必要性は高いとはいえないでしょう。その分の人員と経費を日中に割り当てることは合理的といえます。
さらに、「深夜に労働させる店」というイメージの定着で企業ブランドが大きく毀損する時代です。電通やすき家で発生したような企業イメージの悪化が発生してからでは手遅れとなってしまいます。実際、すき家では客数が低下しました。そうであれば、労働時間を短縮させることはメリットこそあれデメリットは少ないといえます。
ロイヤルホストは全店で24時間営業を終了させました。その他のファミレスでも同様の動きが広がっています。ファミレス業界は新たな時代に突入したといえそうです。
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