隠れた落し穴。まだシニア向けマンションを購入してはいけない理由

 

また、きちんとしたサービスが提供されているシニアマンションでも、今後、様々な課題が発生するものもあると思います。

これ以上高齢化が進むと、第三者管理という選択も必要になってくると思われますが、誰がどのような仕組みで高齢者の権利を守るのかまだまだ不透明です。

一番、大変になると思われるのが、認知症の居住者の増加です。身体介護が必要な人に対しては、在宅介護サービスである程度対応が可能ですが、認知症の進んだ居住者との共存は、簡単ではありません。

また、認知症ではなくても、極端に周りの人に恐怖や不快感を与える言動をする共同生活不適応者の存在も問題になります。分譲で所有しているので、簡単に出て行ってもらうという訳にはいきません。このような方にどう向き合うか、シニアマンション運営には、かなり高度な知恵が必要になります。そういったことも想定して、マンションを選ぶ必要があると思います。ぜひ、パンフレットの文言だけで、これなら安心と、購入を決めないで、慎重になりましょう。

シニアマンションは、あくまでアクティブシニアが安心して第二の人生を楽しむためのもの。で、介護が必要になったときは、普通のマンションに居住しているのと同じだという覚悟はあった方がいいと思います。それでも、見守り体制や支援体制が充実している分、一般のマンションよりは環境が整っています。

シニアマンションにもいろいろあり、私が把握してることは、ごく一部です。契約内容を事前によく確認して、様々な場面を想定した上で、元気な時間を豊かに過ごすことに力点をおく居住形態がシニアマンションなのかな…と私は思いました。

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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