いじめを解決する気のない学校に突きつけるべき「二つの文書」

 

1.「いじめ被害経緯書」は「最大のツール」

一般的に、いじめは、悪口や、にらむとか、無視や仲間はずれというものが大半をしめます。ですから、「いじめの証拠を手に入れることができない」のが普通です。証拠に代わるものとして、いじめの記録の「文書」が学校と交渉する際の材料になるのです。

文書化のポイントとしては、いじめの事実を「何月何日の何時ごろ、誰が、お宅のお子さんに、どういうことをしたか。どんなことを言ったか」など、時系列に書き出すことです。

この「いじめ被害経緯書」を元にいじめの事実確認を学校に依頼することで、学校は、加害者から「このようないじめをしましたか」などと事情を聴くことができます。また、周囲の子供たちから聞き取り調査することもできます。もちろん、いじめの証拠があればさらに有意義に交渉が進められると思います。

2.「いじめ被害経緯書」がきっかけで、学校全体としての取り組みが進む

また、「実際に校長先生とお話ししてみたら、いじめの内容が全く伝わっていませんでした。担任はひどい先生です」というご相談も実に多くいただきます。担任の先生に対して、「校長先生はこのいじめをご存知なのですか」とお聞きすると、ほとんどの場合「ちゃんと報告しています」という答えが返ってくるのですが、実際には伝わっていないのが実情です。2時間、3時間と担任の先生にいじめの事実や、本人がどれだけ苦しんでいるかと訴えても、校長先生への報告には、ほんの5分、10分で済まされてしまうものです。また、聴き間違いや勘違いなどもありますので保護者の意図が全く伝わっていないということもよく起きてしまいます。

そこで、「文書」が大事なのです。文書を渡しながら担任と話すと、担任の先生も校長先生や指導主任学年主任に相談しやすくなるのです。何と言ってもコピーすればいいだけですので。過去、文書を渡すことで学校全体として解決に乗り出してきてくれたということが何度もあります。

もう一点、公務員や教師の多くは、文書をもらうと仕事をしなければならないと考える習性があるようなのです。今まで出てこなかった校長先生が、急に「辛い思いをさせてすみませんでした」と連絡してきたり、話すだけでは何もしてくれなかった校長先生が、「これはちゃんと対応しなくてはいけませんね」と言って動き出したということもありました。文書を持っていくかどうかということで、学校の態度が大きく変わってきます。どうかこの点をよく知った上で「文書」をつくるようにしてみてください。

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