医者は正しい?上司は絶対?疑いもなく信じている「常識」を壊せ

 

では具体的にはどうすれば良いか? 上述したように、ステレオタイプに出会ったらまずは、「そのまま受入れても良いもの、受入れずに検証に回すもの」とジャッジしてあげる必要があります。ただこの判断のワンステップを置くのが意外と難しいんですね。始めは意識しないとスルーで受け入れてしまいますから。

ステレオタイプスの中でも特に権威性が強いもの(例えば上司、専門家、白衣の医者、学校の先生の言う事など)は、黙って受け入れてしまいがちです。さらに、たとえ目の前のステレオタイプスに気付けるようになっても、実はそれだけではステレオタイプスに対処することは出来ません。なぜならステレオタイプスは出会った瞬間にあなたを包み込んでしまうような力があるからです。たとえ気付けてもそのまま流されてしまう可能性が高いんですね。

例えばあなたが正しいと思っている意見があり、それを上司に全力で否定されたらどうでしょう。あなたは内心正しいと思いつつ「ま、仕方ないか」と上司の意見に身を任せてしまうかもしれません。こうした事が発展して行くと「じゃあ上司が死ねって言えば死ぬの?」みたいな話にまで発展して行くんですが、なぜこうした論理的に正しくない事が通ってしまうのかというと、これがステレオタイプスが持つ力だからなんです。これを専門用語では「メンタル次元に効く力」と呼びます。

例えば医者や専門家の立場になると、彼らはその肩書きによる使命感によって自分自身のオーラ(気)を膨らませます。あなたもテンションが上がると自分の気が大きくなる感覚はありますよね。その感覚が上記したメンタル次元に該当するわけですが、そこが膨らんだ状態では心と身体が大きくなったように感じます。

するとそれより低次元の論理的な話は抑え込まれ、その場で我々が反論するのが難しくなります。その話が正しいかどうかはどうでも良く、正しいのはメンタル体のより大きい方の意見、という事になります。これがステレオタイプス(定説や権威性)が持つ裏の力です。

ですからこうした状態にある時、反論しても勝てないので、あえて反論する必要はありません。あなたがどんなに正しくても負けちゃいますから。よってその場では相手の話を受け入れつつ別の機会を設けて、そこで相手を上回るように自分の自信を高めて行けばいいんですね。

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