この手の話があると、ネットでは「頭が悪い」「自己責任だ」と言う意見が飛び交いますが、私はそうは思いません。証拠金取引のリスクがどのくらい大きなものかをちゃんと理解できている人は、日本国民の半分ぐらいだと思います。残りの半分の人たちは、この手のリスクに関してのまともな教育も受けずに社会に放り出された無防備な人たちなのです。
法律とは、そんな社会の弱者を守るためにあるべきで、そもそも25倍の倍率というのが(外国為替のFXにおいても)高すぎるし、仮想通貨の証拠金取引など認めてはいけないのです。
私は、日本政府が世界に先駆けて仮想通貨を通貨として認めたのはとても良い決断だったと思います。しかし、その時点で、「仮想通貨の証拠金取引は一切認めない」という法律を作らなかったのは致命的な間違いだったと思います(今からでも遅くないので、禁止すべきです)。
米国でも仮想通貨の取引を始めてしまった社会の弱者が大勢いますが、幸いなことに米国にある取引所では証拠金取引は不可能なので(よりリスクの高いオプション取引を可能にしている取引所もありますが、これはプロの投資家向けです)、日本のような悲惨な状況にはなっていません。とは言え、クレジットカードで借金をしてビットコインを買っている頭の悪い連中は結構いるので(参照:New Survey Reveals Staggering Number Of People Are Buying BitCoin On Their Credit Cards)、今回の暴落でクレジットカード地獄に陥る人も結構いると思います。
ちなみに、この件に関してTwitterでアンケートをとった結果がこれです。
「フリーターがカードローンで50万円の借金。それを証拠金に25倍のレバレッジでビットコインを1000万円分購入。暴落時の取引所による強制ロスカットの結果100万円の追証を求められる」という事件があった時、悪いのは誰?
— Satoshi Nakajima (@snakajima) 2018年1月17日
予想通り「本人が悪い」と言う意見の人が大半ですが、私のように政府が悪いと思っている人も17%はいます。ちなみに、その他の意見として「バブルを煽るメディア」「個人再生を煽って手数料で儲けようとする法律事務所」などもいただきました。
メディアと言えば、ちょうど暴落の2日前(15日)に報道ステーションがビットコインの特集をやっており、ビットコインで1億円以上儲けた「億り人」たちの集まりを紹介していましたが、まさにあれが「バブルを煽るメディア」の典型です。
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