メディアは、時代のそうした深層心理が分かっていることに加えて、有償メディアの主要なマーケットが高齢層だということも計算の上で、「新しいものの生み出すトラブル」を強めに報道してしまうのだと思います。そこに、日本のある意味ではアニミズム的な自然観である「ありのままの自然」が善であり、そこに「人為的に手を加えるテクノロジーは罪悪」といった伝統価値観が乗っかって話が暴走してしまうのでしょう。
いずれにしても、このように「新しさ」に対する警戒や恐怖を煽っていると、日本の技術的な競争力などは雲散霧消してしまいます。AV(自動運転車)が米欧や中国といった先行勢力に技術も社会的枠組みも完全に先行されてしまった場合には、最終的に日本の自動車産業はソフトの周辺機器製造といった経済に落ちてしまうと思います。
本当は、フィンテックは金融工学で遅れた日本が一気に挽回するチャンスであり、AVは高齢化時代の移動手段の切り札だという日本経済に取ってポジティブな側面を持った話なのです。とにかく、メディアによるネガティブな感情論に対しては猛省をしていただきたいと思うのです。
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