中、ロ、欧州とも関係悪化。トランプの最悪外交の犠牲になる日本

 

米朝関係も悪化

北朝鮮核問題は、もともと「圧力派対話派」にわかれていました。日米は、「圧力派」。中ロは、「対話派」。しかし、北は今年1月、突然「対話派」になった。そして、韓国を「対話派」に引きずり込んだ。さらにトランプが、「米朝首脳会談をやる!」と宣言し、「対話派」になった。

以前も書きましたが、これは当然のことです。というのは、「圧力派」は、「非核化前提の対話」を求めていたのでしょう? 金が「非核化前提の対話をと譲歩したので対話しなければおかしい

日本は、「初期の目的」を忘れ、「唯一の圧力派」になり孤立しました。しかし、安倍総理は、間違いに気づき、「対話派にちゃっかり加わった

現在、日本、アメリカ、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、皆が「対話派」です。しかし、「条件闘争」になっている。日米は、「非核化」の後に「制裁解除」。中ロ北韓は、「段階的非核化」「段階的制裁解除」を主張しています。金の本音は、交渉によって制裁を解除させ核は保有しつづけたいのでしょう。

米朝関係は、よくなった。ところが、大統領補佐官のネオコン・ボルトンさんがリビア方式で行く!」と宣言し、再び悪化しました。皆さんご存知のように、北朝鮮は、「米朝首脳会談やめる!」といっています。

「リビア方式」とは、「核開発停止、放棄」、その後「制裁解除」です。これ、本質は日本の主張と同じですね。しかし、これを実行したカダフィは8年後に殺されています。「リビア方式」といえば、金は、「カダフィのように俺を殺すつもりだな!」と確信するでしょう。

別の言葉を使って、「非核化と完全体制保証を同時に進める」「その後制裁解除」。北朝鮮が納得する形で「体制保証すればいいのです。しかし、ボルトンさんが高飛車にでることで、米朝首脳会談が危機に陥りました。

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