【書評】なぜ「広辞苑」は中国・韓国に関してウソばかり書くのか

 

著者の書くように、日本の代表的辞書が、韓国側の言い分のままに掲載しているその神経は、まったくもって理解し難い。「日本軍の将兵の性の対象とするため強制連行したといわれた慰安婦のこと。実態は、日本人がでっち上げ、朝日新聞が煽り、政治家が韓国政府との間で政治決着するため認めた事実無根の話」とでも書くべきである。そして「拉致事件」については未だに掲載がない。

政府認定で17人(うち5人は帰国)、さらに「救う会」認定で7人、「特定失踪者問題調査会」で拉致濃厚とする人は73人いる。これほどの大事件を、いまになっても掲載しない。日本が被害者の事項はなるべく無視するという広辞苑の典型的な例である。架空の「南京大虐殺」も広辞苑では健在、しかもどんどん過激な表現になっている。中国の教科書に「南京大虐殺」が載ったのは1977年からである。

それまでは、反日侮日を叫んでいた中国でまったく出てこない単語だった。いつからいわゆる「南京事件」が問題になったのか。本多勝一が朝日新聞に「中国の旅」を連載し、「南京事件」が取り上げられてからだ。中国にとって、ものすごくおいしい話。その後、「南京大虐殺」が中国の外交カードとして利用され、30万人が殺されたことになり、南京大虐殺記念館まで開設された。

概して、日本が加害者の場合(真偽が疑われる場合も含めて)は、ことさらに強調して記述し、日本が被害者の場合は、その事実自体を無視するか、扱う場合でも、極めて冷淡である。しかもその傾向は、版を改めるにつれて強くなる。「広辞苑」は日本が嫌いになるように、こっそりと「罠」を仕掛けているのである。

「広辞苑によれば──」と引用されているとき、国語に関してはともかく、歴史用語については鵜呑みにしてはならないのである。

編集長 柴田忠男

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