3兆円のムダ遣い。六ヶ所再処理工場という「危険な無用の長物」

arata20180621
 

6月の半ばから矢継ぎ早に飛び出した観のある原発関連案件ですが、この流れを「原発政策の欺瞞と矛盾が勢いよく噴き出した」とするのは、これまで原子力政策の矛盾や見込みの甘さを指摘してきた元全国紙社会部記者の新 恭さん。新さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で、その最たるものとして再処理工場を巡る問題を取り上げ、いつまでたっても完成に至らない六ヶ所再処理工場は不要であり、国が掲げる「核燃料サイクル」はすでに破綻していると非難しています。

危険な“無用の長物”となる六ヶ所再処理工場

6月10日の新潟県知事選が終わるのを待っていたかのように、安倍官邸と経産省は、せき止めていた原発関連案件のコックをひねった。

そこから出てきたのは、福島第二原発の廃炉、玄海原発4号機の再稼働、東海再処理施設の廃止…etc。原発政策の欺瞞と矛盾が勢いよく噴き出した

東京電力の社長が福島県知事を6月14日に訪ね、福島第二原発の廃炉方針を表明したのは、もちろん経産省との打ち合わせ通りだ。新潟県知事選で自公の支持する国交省OB、花角英世候補が勝利したことで、柏崎刈羽原発の再稼働に見通しが立ったと踏んでいるのだ。

その前日、日本原子力研究開発機構の東海再処理施設(茨城県東海村)を廃止する計画が原子力規制委員会に認可された。新基準を満たすためには莫大なコストがかかるというのが廃止の表向きの理由だが、つまるところ“不要物の廃棄”だ。高速増殖炉「もんじゅ」とともに原子力政策の失敗作といっていい。

言うまでもなく、原子力施設は後始末が困難である。放射能にひどく汚染された設備や建造物や燃料類を相手に誰がどのように作業し、汚染された物や液体をどこに処分するのか。

何もまだ確立されていないなかで、東海再処理施設の廃止作業は完了まで約70年かかり費用は1兆円ほどであると発表された。例のごとく、最短最少の甘い見積もりを出しているのであろう。100年以上かからないという保証は全くない。

使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場は、「原発1年分の放射能を1日で放出する」といわれるほど放射能汚染の危険度が高い。日本には技術的なノウハウがなく、東海再処理施設は、フランスにつくってもらった

実験的な施設とはいえ、トラブルが多く、役に立ってきたとは言いがたい。管理体制のお粗末さも指摘された。施設内のプールには、廃棄物入りのドラム缶約800個が乱雑に積み上がり、内容物が漏れている可能性も指摘されている。

いうまでもなく、原子力発電の最大の矛盾は、いつまでも放射能を出し続ける使用済み核燃料の処分方法が確立されていないことだ。

いずれ、科学技術の力で克服できると見込んで、とりあえずスタートさせたものの、最終的に地中深く埋めておく処分場が、候補地の反対でいっこうに見つからず、使用済み核燃料は各原子力発電所のプールに貯まり続けている。

この状況を打開し、ウラン資源を持たない弱みを解消するための、一石二鳥プランとして浮上し、事業化したのが使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する「核燃料サイクル」だった。

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