そうやって上司の基準値を考えた結果、もしその基準値が自分を遥かに上回る場合には、次に見るべきなのは同僚なのですよ。同じくその上司の部下として働いている、同じ役職の社員を観察して、この人たちの「当たり前」レベルがどこにあるのか? を推測するんです。これは休憩室や、飲み会での会話で簡単に分かりますから。
そして少なくとも、この人たちの持っている「当たり前」レベルよりも自分のそれを上にセットする必要があるんです。特に外資ではこれは大事です。外資では、仕事が出来ない(と上司が判断した)順番に肩たたきをされますからね。そしてその判断は、普段彼らが醸し出しているその人の「当たり前」レベルの低さの順番になることが多いんです。
例えば、9時始業の会社で、8時に来て仕事をするのが当たり前だと考えている人と、8時45分に来れば良いやと考えている人とでは、後者の人の方が仕事が出来ない事が多いんです。上司ってそういうのを何気なく良く見ていますから。
特に新任の上司の場合、最初にリストラをするのは、上司としての自分の持っている「当たり前」レベルから一番遠いところに、自分の「当たり前」レベルをセットしている人なんですよ。だからここはグッとレベルを上げて、部下の中で一番高い基準をセットしておく必要があるんです。これが外資に於ける自己防衛術です。
結局のところ人事考課って、最後は相対評価ですから、あなたが上司の基準を超えていなくても、あなた以上に低いところで蠢いている人がいれば、そちらが先に整理されるわけです。そうやって時間稼ぎをしつつ、自分の基準値を高める努力をすれば良いと思うんですよね。
という簡単なことさえ、多くの人は考えもしないので、このワザはかなり効くと思うんですよね。
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