米小売業界に学べ。アマゾンには出来ぬ、きめ細かさに商機あり

 

商品数が膨大だと条件に合う商品を探し出すだけでも時間がかかってしまう。そこで、登場する便利なものが『パーソナリゼーション』だ。

商品検索の条件を絞ることもできるが、会員登録しておくと過去の閲覧履歴や購入履歴、お気に入りリストなどから、その人の好むだろう商品や条件に合ったものが表示されやすくなるのである。

また、Eメールでオススメの商品情報も届いたりする。パーソナライズされることで企業にとっても商品を売りやすくお客にとっても商品を買いやすくなるのである。

(2)買い物はEコマースでだけじゃない

Eコマースでの買い物が便利になっていっても、必ずしもEコマースで買い物をするわけではない。

広告専門誌のAdAgeの9月28日の記事によると、米国のメジャーな小売店客のうち、Eコマースだけで買い物をするという客はたったの7%である一方で、73%が複数の購入方法、いわゆる「オムニチャネル」(Omnichannel)でショッピングしていることがわかったとのこと。また、複数の購入方法を柔軟に活用するという人も増えているという。

オムニチャネルとは、販売方法すべてを統合した販売戦略のこと。

例えば、実店舗、テレビ、ラジオ、ダイレクトメール、カタログ、といった従来の販路に加えてEコマース(含、Mコマース)もシームレスで繋がっていることを「オムニチャネル」と呼ぶ。

実店舗かEコマースのどちらかではなく、その両方だったり、はたまたカタログオーダーだったりと、客はその時の状況に合わせて柔軟に購入方法を選んでいるということなのだ。特に、デジタル機器を使いこなすミレニアル世代は、より便利なものを利用する傾向にあり、実店舗が便利な場合は実店舗でも積極的に買い物をしている。

実際、ミレニアル世代の半数を超える56%が、週に1度は実店舗で買い物すると答えている。ただし、これまでの世代(例えば、これまで米国の経済を牽引してきたベビーブーマー世代、日本の団塊の世代に近い世代層)などとの違いは、単純に実店舗を訪れているのではなく、事前にオンラインで商品情報を「リサーチ」した上で買い物に行っている人が67%もいるという点である。

説明が長くなったが、買い物はEコマースだけではないのだ。じゃあ、Eコマースが普及した今、実店舗で求められる買い物体験は何かというと、Eコマースやオンライン情報では得られない、より専門的な商品知識なのだそうだ。

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