大塚T 「一般相談との違いは、どういうところですか?」
所長 「そうだね。
- 安心して『男の鎧』を脱げる場、本音を語り、涙を流せる場であること
- 『寄り添う』『支え合う』『つながる』実体験の場であること
- 男らしさを求める社会の問題が根底にあること
- 責めずに聴く、気持ちに焦点を当て、感情を肯定的に受け止めること
- ヒントを伝える、考えてもらうこと
要は、頑固な男らしさの縛りを解きほぐす作業といえるかな」
新米 「実際、DVをするような人が相談に来るんですか?」
所長 「DV加害者を2通りに分けると、相談に来るタイプは、自分をコントロールする能力を身につけていない、理性を失いやすくキレやすいタイプ、自分の性格に悩むタイプだね」
新米 「自分をコントロールする能力か~。難しそうですね。人間関係のことは…」
大塚T 「要は、『人間関係調整力』が弱いってことなのかなぁ…」
E子 「『人間関係調整力』といえば、
- 自分を伝える能力
- 相手を受け止める能力
- 過度な距離をとる能力
- 新しい関係を築く能力
- 関係を修復する能力
って言われてるけど、この力が備わっていくると、暴力に依存しない、暴力を手放すことができるんでしょうね」
新米 「DV加害者がそういう力が備わってきたかっていうのは、誰が判断するんですか?カウンセラーがずっとつきあって成長させていくんですか?」
大塚T 「社労士のハラスメント事例へのかかわりと違って、かなり濃いやりとりになるんですね。つきあって成長させていくのは、カウンセラーだけど、力が備わったかを判断するのは、DVならパートナー、被害者ってことになるんじゃないの?」
所長 「そういうことだね。夫婦ならパートナー、つまりは、カウンセラーが判断できるものではなく、被害者しか判断できないだろうね」
新米 「そこは、他のハラスメントも一緒でしょうね」