「男らしさ」の呪縛。DV加害者の心の傷を癒やす方法はあるのか

 

大塚T 「一般相談との違いは、どういうところですか?」

所長 「そうだね。

  1. 安心して『男の鎧』を脱げる場、本音を語り、涙を流せる場であること
  2. 『寄り添う』『支え合う』『つながる』実体験の場であること
  3. 男らしさを求める社会の問題が根底にあること
  4. 責めずに聴く、気持ちに焦点を当て、感情を肯定的に受け止めること
  5. ヒントを伝える、考えてもらうこと

要は、頑固な男らしさの縛りを解きほぐす作業といえるかな」

新米 「実際、DVをするような人が相談に来るんですか?」

所長 「DV加害者を2通りに分けると、相談に来るタイプは、自分をコントロールする能力を身につけていない、理性を失いやすくキレやすいタイプ、自分の性格に悩むタイプだね」

新米 「自分をコントロールする能力か~。難しそうですね。人間関係のことは…」

大塚T 「要は、『人間関係調整力が弱いってことなのかなぁ…」

E子 「『人間関係調整力』といえば、

  • 自分を伝える能力
  • 相手を受け止める能力
  • 過度な距離をとる能力
  • 新しい関係を築く能力
  • 関係を修復する能力

って言われてるけど、この力が備わっていくると、暴力に依存しない暴力を手放すことができるんでしょうね」

新米 「DV加害者がそういう力が備わってきたかっていうのは、誰が判断するんですか?カウンセラーがずっとつきあって成長させていくんですか?」

大塚T 「社労士のハラスメント事例へのかかわりと違って、かなり濃いやりとりになるんですね。つきあって成長させていくのは、カウンセラーだけど、力が備わったかを判断するのは、DVならパートナー、被害者ってことになるんじゃないの?」

所長 「そういうことだね。夫婦ならパートナー、つまりは、カウンセラーが判断できるものではなく、被害者しか判断できないだろうね」

新米 「そこは、他のハラスメントも一緒でしょうね」

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