始まるゴーンの逆襲。なお残る日産クーデター8つのクエスチョン

 

5.今回の事件は、ゴーン氏への報酬支払いが「過大」だということではなく、あくまで「公表すべきものを公表しなかったという点が問題視されています。ということは、ワイドショーのTVがいくら非難しても、「ゴーン氏が日産から報酬を得るという契約」は成立しているはずです。それを「世間が批判しているからという理由でキャンセルはできないと考えるのが、契約社会では自然です。

6妻に対して顧問契約をして勤務実態がないのに報酬を払っていたというのですが、日本の場合は働かない相談役などに報酬を出す例はいくらでもあります。中小のオーナー経営の場合では、それこそ妻に給与を払って法人税を節税するような事例は多いわけです。そうした事例と比較して、居直られる危険は十分にあります。

7社宅問題も同じです。企業が福利厚生ということで、住宅そのものを提供する事例は、昔ほどではないにしても、日本では普通にあり税制上も優遇措置があるはずです。そこを突かれたら、感情論では勝てません。

8.日産もルノーも上場企業です。株価下落による損失に関しては、もしも不合理な理由があれば、特に北米では少数株主による訴訟の対象になります。仮に、1.から7.までのストーリーがどんどん崩れて行って、ゴーン追及が失敗した場合、株価下落の責任を問う訴訟が提起される危険性は十分にあります。まさかとは思いますが、北米を舞台に、日産と日本政府が訴えられる可能性もあります。

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