現役アナウンサーが教える、話しながら頭の中を整理する会話術

 

よくありがちな話し方のコツとして、ポイントは3つ、とか、結論から言う、などが奨励されているのを、目にしますよね。当メルマガでも無料メルマガ時代の10年以上前から「これから話すことを、短く先に表明しておく」と、話が届きやすくなることは、繰り返し指摘してきました。

実はそれが、「横着ファイリング話法」の出発点なのですが、では、頭の中がまだぼんやり意識の状態で、ポイントは3つって、話し始められますか?結論から言いますと…って、話し始められますか?それはかなり難しい。

前述した、仕事に対する持論のように、あらかじめ、まとめて、話した経験があるか、あるいは、そういう話し方に慣れている人にとっても、ある程度考えがまとまった状態が必要になるからです。日常の話し方へ応用しにくいのはそのためです。

世の中のものごとの全てについて、あらかじめ結論を導いておくことは不可能ですからね。そこで、頭の中がまだぼんやり意識の状態から、持論まで築き上げていく話し方こそ、現実的になってくるわけです。

例えば、「日本の人口減少化と、今後のわが社の取り組むべきこと」について質問されたらどうでしょうか。

自分の仕事についての考えを尋ねられるより、ちょっと話すのが難しくなりました。頭の中がまだぼんやり意識の状態です。その原因は、この話の結論を自分で導いた経験や、実際に話し言葉に変換した経験がないこと。

そして、「人口減少化」や「今後のわが社」については何らかの知識は持っているので、頭の中は有り余る情報で溢れている。つまり、まだ「持論」としてまとめたことがない、あるいは、持論はあることはあるが、話せる形にはなっていない段階だからです。

かといって、3分待ってください、その間に考えます…なんてこともできませんよね。しかし質問者のほうは、当然、即答できるでしょう、ぐらいの勢いで質問してきます。話の内容次第では、期待を裏切ったり、その程度の認識しかない人、思慮の浅い人という烙印を押されかねません。

ですから、こういう質問に対しては、

  • 即答で話しながら
  • 自分の考え=持論を展開し
  • 説得力のある「形」に仕上げていかなくてはなりません

では、どう話し始めるか、考えてみましょう。

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